高血圧と低血圧:それぞれの特徴と影響

健康診断や病院でほぼ必ず測る血圧は、私たちの健康において重要な指標の一つとなっています。

正常な範囲内であれば、特に問題はありませんが、高血圧または低血圧の状態になると、さまざまな健康問題が生じる可能性があります。

この記事では、それぞれの状態の特徴、原因、改善方法について解説します。

高血圧の特徴と影響

高血圧の定義と症状

高血圧は、血圧が常に高い状態を指します。

一般的には、診察室での血圧測定の結果で最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上である場合に高血圧と診断されます。

また、高血圧は初期段階では症状がないことが多いですが、頭痛、めまい、鼻血などの自覚症状が見られることもあります。

血圧の概念に関する記事はコチラ

原因とリスクファクター

  • 生活習慣が主な原因となることが多い
  • 遺伝的な要因もある
  • 二次性高血圧といって他の病気が原因となったり、特定の薬剤が原因となることがある

高血圧の原因とリスクファクターには、以下のようなことが関与しています。

まず多いのは生活習慣で、過剰な塩分摂取、肥満、運動不足、飲酒、ストレス、睡眠不足、喫煙などの生活習慣が高血圧の原因となることがあります。

他には遺伝的な要因もあり、高血圧には家族性の要因が60%程度関与しており、遺伝の要素と家族で似た環境(食生活や生活スタイルが似ているなど)で生活することで家族全体で血圧が高くなるといったことも考えられます。

また、二次性高血圧では腎臓や甲状腺などのホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群、特定の薬剤の副作用などが原因となって血圧が高くなることもあります。

高血圧による影響と合併症

  • 高血圧はサイレントキラーともよばれる
  • 自覚症状がなく気付きにくい
  • 合併症には命に係わるものもある

高血圧は「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」とも呼ばれ、ほとんど症状がないまま進行することが多いです。

患者さんによっては頭痛がして病院で血圧を測ったら高かったという事もありましたが、健康診断などで血圧が引っかかる事が多いです。

また、高血圧を放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な疾患を引き起こす可能性があります。

具体的な合併症としては、脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎臓病などが挙げられます。

このように高血圧が長期間続くと重篤なだけでなく、命に係わる合併症を引き起こす可能性があるため、早めの対処と適切な治療が重要です。

高血圧を改善する為には‥

  • 生活習慣の改善が大事(減塩や禁煙など)
  • 生活習慣の改善だけでは困難な時、薬を服用することもある

高血圧を改善する為にまず大事な事は、生活習慣の改善が重要です。

食事の改善としては減塩や野菜中心の食事、カリウムが多く含まれる食品を多く摂取する、飲酒を控えたりすることが推奨されています。

適度な運動も有効で、特に有酸素運動(ウォーキング、水泳、サイクリングなど)が有効であり、1日に30分程度を目安に行うことが推奨されます。

肥満は高血圧のリスク因子となるため、適切な体重を維持することが重要です。

今の社会はストレスまみれかと思いますが、ストレスは高血圧の原因となることがあります。

ストレスと血圧についてより詳しく知りたい方はコチラ

リラックスする時間を持つことやストレスマネジメントが重要になってきます。

また、喫煙は高血圧を引き起こす可能性があるため、禁煙が推奨されていますし、睡眠不足も高血圧のリスク因子となるため、十分な睡眠をとることが重要となります。

生活習慣の改善だけでは通常の血圧に戻すことの出来ないような時は薬物治療が行われます。

低血圧の特徴と影響

低血圧の定義と症状

低血圧は、血圧が通常よりも低い状態を指します。

最高血圧が90mmHg未満、または最低血圧が60mmHg未満の数値が低血圧の目安となっています。

疲労感、めまい、失神、集中力の低下などが一般的な症状となっています。

原因とリスクファクター

  • 脱水や長時間安静にしている方で起こりやすい
  • 高血圧の薬が原因となることもある
  • 湯船から出た時、急に立ち上がる時は注意が必要

低血圧の原因には、脱水や長期間の安静、特定の薬剤(血圧の薬など)の副作用などが低血圧の原因になることがあります。

特に、座っている姿勢から急に立ち上がった時に一時的なふらつきや気が遠くなる感じになった方もいるのではないでしょうか?

これは、急に立ち上がった時に脳に血液を送る血管の血圧が下がって、その結果として一時的にふらつきや気が遠くなる感じが起こります。

この状態を起立性低血圧と呼びます。

これは、脱水状態にある人や、体がほてった状態の人(特に熱いお風呂から出たばかりのときなど)、特定の病気がある人、長時間にわたり横になるか座っていた人で、より起こる可能性があります。

起立性低血圧は失神を引き起こすこともあり、お風呂場で失神して頭を打って怪我をしたという話を聞いたこともあります。

ただ、ほとんどの場合身体は迅速に反応して血圧を上昇させるように働き、失神を防ぎます。

低血圧による影響と合併症

  • めまいや立ちくらみ、倦怠感や動機などが起きることがある

低血圧は、脳や他の重要な臓器への血流が不十分になることで、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

具体的には低血圧によって脳への血液供給が不足することで、めまいや立ちくらみが起こることがあります。

他にも全身に十分な血液が供給されないため、倦怠感や動悸が現れることがあります。

また、血液中の酸素量が不足することで、息切れや手のしびれが生じることがあります。

さらに、脳への酸素供給不足によって不安感や不眠が現れることがあります。

そして、低血圧が続くと全身に十分な血液が供給されず、細胞や臓器が正常に機能しなくなる恐れもあります。

低血圧を改善する為には‥

  • 水分をしっかり摂る
  • 塩分も摂りすぎに注意して普段よりも摂取する
  • カフェインを含むコーヒーも血圧を上昇させる効果あり
  • 適度な運動やストレスをためないように

低血圧の改善には、水分と塩分の摂取増加、適度な運動、健康的な食事を心がけましょう。

食事による対策としては、塩分摂取量の適度な調整(摂りすぎに注意)や、栄養バランスの取れた食事を摂ることが重要です。

特に食後に低血圧を起こしやすい方は、適度にカフェインを摂取することで血圧を上昇させることが期待できます。

また、十分な水分を摂取することも重要です。水分不足は低血圧の症状を悪化させる可能性があります。

他には、血液の循環を良くするために適度な運動を行うことも推奨されています。ただ、激しい運動は血圧を上昇させすぎる可能性があるため、適度な運動でとどめるようにしましょう。

精神的なストレスは高血圧、低血圧の原因となることがあります。定期的にリフレッシュする時間を持つことやストレスを溜めないように生活することも重要となってきます。

まとめ

高血圧と低血圧は、私たちの健康に大きな影響を及ぼす可能性があることが分かっていただけたでしょうか?

血圧は高すぎても低すぎても問題があるので適切な血圧を維持することは非常に重要です。

生活習慣の改善は、血圧の管理において最も重要な要素の一つとなってきます。

高血圧も低血圧も、生活習慣の改善によって適切な血圧を保つことが可能できます。

バランスの取れた食事、定期的な運動、ストレスの管理、十分な睡眠は、高血圧と低血圧のどちらの状態にも効果的です。

また、定期的な健康診断を受けることで、血圧の異常を早期に発見し、適切な対応を取ることができます。

健康でいられるように、積極的に生活習慣を見直し、必要に応じて病院に受診するなどしてください。

この記事を書いた人 Wrote this article

ゆうぞう

みなさんこんにちは! このサイトを運営しているゆうぞうと申します。 現在はとある調剤薬局で管理薬剤師をしております。 このサイトでは将来生活習慣病で困ることの無いように、今からできる対策などについて情報発信していきます。

TOP