処方箋に書いてある薬の名前と実際にもらった薬の名前が違っているけど間違ってないの?

みなさんは病院でお薬を処方してもらうと、処方箋とよばれる紙をもらって近くにある調剤薬局でお薬をもらうことが多いかと思います。

処方箋には今回処方された薬の名前が記載されており、だいたいがそこに記載されているお薬と同じ名前のものをもらうことになります。

ですが、処方箋に記載されている名前とは全く違う名前のお薬が渡されることもあります

あとから確認しようにも処方箋は薬局に渡してしまったし、本当に正しいお薬が渡されたのか不安になった事はありませんか?

今回はそんな不安を解決すべく、しっかりと説明させていただきます。

結論:処方箋に記載されているものと別の名前のものでも同じお薬である。

結論から申しますと、処方箋に記載されていたお薬の名前と、実際に渡されたお薬の名前が違っていることがあっても、有効成分は同じ薬です。※有効成分以外のところでは若干の違いがある事もあります。

実はお薬には、2つの名前が存在しています。

お薬には商品名一般名(成分名)の2つの名前があるものがあります。

処方箋には一般名で記載されているけど、実際に渡されたお薬が商品名のお薬だと、「書いてあったのと違う!」となるわけですね。

ですが、ごくまれに渡し間違いということもあるので、お薬の説明書などで自分の症状にあっているお薬か確認するようにしておいてください!

そもそもなぜ薬には2つの名前がある?

ここからはなぜ2つの名前があるのかについて説明します。

みなさんは先発医薬品後発医薬品はご存じでしょうか?

簡単に言うと先発医薬品は、一番初めに世の中に出てきたお薬で、後発医薬品は先発医薬品で使用されている成分をもとに、他の製薬会社が後から作ったお薬ということになります。

先発医薬品には商品名がつけられていることが多く、後発医薬品には一般名にそれを作った製薬会社の名前がかっこ書きで記載されています。

なので先発医薬品には商品名、後発医薬品には一般名+会社名の2つの名前が存在しています。

先発医薬品と後発医薬品の名付け方の違い

先発医薬品はその医薬品を作った会社が自由に名前をつけることが出来ますが、後発医薬品の名前の付け方にはルールがあります。

どういったルールかというと、

後発医薬品の名前は成分名+剤形+含量+「会社名」とするようにされています。

このルールができたのが平成17年のことなので、それ以前の後発医薬品だと商品名のものも存在します。

わりとポピュラーな「ロキソニン」を例にあげて解説します。

※剤形と含量については省略

「ロキソニン」と聞くと、CMとかでもよく耳にする名前だと思います。

この「ロキソニン」がいわゆる先発医薬品で、お薬の商品名と呼ばれるものです。

ではもう1つの後発医薬品の名前はというと…

「ロキソプロフェンNa(ナトリウム)錠+会社名」となっています。

「ロキソニン」と「ロキソプロフェン」だと2つの名前が似ているので同じものかな?と想像しやすいですね。

ですがこのように似た名前のお薬ばかりではなく、よく「ロキソニン」とセットで処方されることの多い「ムコスタ」というお薬があるのですが、ムコスタの後発医薬品の名前は全然違ったものになります。

「ムコスタ」は商品名なのですが、ムコスタの後発医薬品名はというと…

「レバミピド錠+会社名」となります。

「ムコスタ」と「レバミピド」だと全然違う名前になるので、処方箋は「レバミピド」と記載されてるのに実際に渡されたのがムコスタだと混乱してしまいますね。

後発医薬品は有効成分に関しては同じだが、他の部分では異なることもある

結論でもまとめたように、後発医薬品と先発医薬品では有効成分に関しては同じです。

ですが、有効成分以外のところは異なることもあります。

先発医薬品と後発医薬品で同等とされているのは、有効成分、溶け出し方、吸収のされ方などで、製造方法や添加物に関しては各会社によって違いがあります。

この違いによって錠剤の大きさなどに違いができるので、飲みやすくなったりします。

ですが、ごく稀に添加物の方にアレルギーがあったりして、先発医薬品から後発医薬品に変更したときに体調変化が現れたりする事があるので注意が必要となっています。

まとめ

処方箋は一般名(成分名)で処方されることが多くなってきました。後発医薬品を多く採用している薬局さんでは後発医薬品を調剤することが多くなるので、処方箋に記載されている薬品と同じものが受け取れるのであまり気になることは無かったかもしれません。

ですが最近、もろもろの事情により後発医薬品の流通が滞っているものも多く、比較的手に入りやすい先発医薬品を採用している薬局も多くなってきました。とはいっても先発医薬品でも手に入りにくいものはあります。

そうなってくると一般名と商品名はかなり違っていることが多いので、実際に薬を受け取った時に「この薬合ってる?」となってしまうわけですね。

逆もまた然りで、処方箋には商品名で記載されているけど、後発医薬品を調剤されたときには同じように名前が違うので合ってるか不安になってしまう事があるようです。

よほど薬局側が間違えてしまわない限りは処方箋に記載されているお薬の有効成分は違いはなく、効果もしっかりとあるので、安心して服用してください。

ですが、調剤するのはだいたいが人間なので、どうしても間違ってしまう事があります。

なので、薬情(薬の説明書みたいなもの)を確認して、自分の症状に合った薬か確認することも非常に大切です。

この記事を書いた人 Wrote this article

ゆうぞう

みなさんこんにちは! このサイトを運営しているゆうぞうと申します。 現在はとある調剤薬局で管理薬剤師をしております。 このサイトでは将来生活習慣病で困ることの無いように、今からできる対策などについて情報発信していきます。

TOP