血圧を下げる食べ物ランキング10選!薬剤師の視点でやさしく解説

「健康診断で血圧が高めと言われた…」「薬に頼る前に、まずは食事で何とかしたい…」

そんなお悩みを持つ方は、あなただけではありません。血圧の数値は、日々の食生活や生活習慣と深く関係しています。

本記事では、薬剤師の視点から、血圧を穏やかに保つために取り入れたい「食べ物」をランキング形式でご紹介します。

もちろん、特定の食品が病気を治すという内容ではありませんが、日常的に取り入れやすく、かつ研究でも注目されている食品を厳選しました。

これから血圧対策を始めたい方、毎日の食事に不安がある方にとって、役立つ情報になるはずです。

記事の最後には、公的な参考文献や信頼性の高い情報源も記載していますので、ぜひ最後までご覧ください。

高血圧の原因と注意点

血圧とは、血液が血管を押し出す圧力のことを指します。この圧力が常に高い状態が続くことを「高血圧」と呼びます。

高血圧の主な原因には、以下のようなものがあります:

  • 塩分の多い食事(ナトリウムの過剰摂取)
  • 運動不足
  • ストレス
  • 飲酒や喫煙の習慣
  • 加齢や遺伝的要因

これらの要因が複合的に作用することで、血管に負担がかかりやすくなり、血圧が上昇してしまいます。

高血圧は自覚症状が少ない「サイレントキラー」とも呼ばれ、知らず知らずのうちに心臓や脳、腎臓に影響を与えるリスクがあります。

特に収縮期血圧(いわゆる「上の血圧」)が140mmHg以上、または拡張期血圧(「下の血圧」)が90mmHg以上が続く場合は、注意が必要とされています※1

病院での診断が必要なケースもありますが、まずは日々の食生活を見直すことが、予防と対策の第一歩です。

血圧を下げる食べ物を選ぶポイント

血圧対策として「どんな食べ物を選べばよいのか?」は、多くの方が気になるポイントです。

薬剤師の視点から見ると、以下の栄養素や成分が含まれる食品は、血圧管理の一助として注目されています。

注目成分期待される作用主に含まれる食品
カリウム余分なナトリウムの排出をサポートバナナ、ほうれん草、アボカド
マグネシウム血管の緊張を和らげるナッツ類、玄米、豆類
食物繊維腸内環境を整え、脂質代謝を助ける海藻類、きのこ、ごぼう
ポリフェノール抗酸化作用により血管の健康を維持緑茶、ベリー類、赤ワイン(適量)
DHA・EPA血流をスムーズに保つ青魚(サバ、イワシ、サンマなど)

これらの成分を意識して日々の食事に取り入れることで、塩分に偏りがちな現代の食生活をバランスよく整えることができます。

ただし、特定の食品を「たくさん食べれば血圧が下がる」というわけではありません。

あくまで、全体的な食習慣の見直しが重要です。次章では、実際に取り入れやすい食品をランキング形式でご紹介します。

血圧を下げる食べ物ランキング10選【第1位〜第5位】

ここでは、日常的に取り入れやすく、血圧管理の面で注目されている食品をランキング形式でご紹介します。どれも薬ではなく、あくまで食習慣の改善をサポートするものとして、参考にしていただければと思います。

第1位:バナナ

バナナはカリウムを豊富に含む果物で、塩分(ナトリウム)の排出を助ける働きがあるとされています※2。朝食や間食として手軽に食べられる点も魅力です。

第2位:納豆

納豆にはナットウキナーゼという酵素が含まれており、血液の流れをサポートする成分として注目されています。また、マグネシウムやカリウムも含まれているため、全体的に血圧管理に適した食品です。

第3位:トマト

トマトにはGABA(γ-アミノ酪酸)という成分が含まれており、血圧を穏やかに保つ働きがあると報告されています※3。生でも加熱しても美味しく食べられるので、日々の料理に取り入れやすいのが特徴です。

第4位:青魚(サバ・イワシ・サンマなど)

青魚にはDHAやEPAといったオメガ3脂肪酸が多く含まれており、血管の柔軟性を保つ役割があるとされています。週に2回以上取り入れるのが理想とされます。

第5位:ほうれん草

ほうれん草はカリウム・マグネシウム・食物繊維をバランスよく含む緑黄色野菜です。茹でておひたしや味噌汁に入れて手軽に取り入れることができます。

血圧を下げる食べ物ランキング10選【第6位〜第10位】

第6位:海藻類(わかめ・昆布など)

海藻類には水溶性食物繊維やミネラル(カリウム・マグネシウム)が豊富に含まれており、血圧の安定や腸内環境の改善に役立つとされています。味噌汁やサラダなどに取り入れやすい食材です。

第7位:アボカド

アボカドはカリウムの宝庫とも呼ばれ、1個で約700mgのカリウムが摂取できます。また、ビタミンEや良質な脂質も豊富で、血管の健康維持にも貢献します。ただしカロリーが高めなため、1日1/2個程度が適量です。

第8位:豆腐・豆類

豆腐や大豆製品にはイソフラボン、マグネシウム、食物繊維などが含まれ、血管をやわらかく保つために重要な栄養素が豊富です。肉類の代わりに主菜として取り入れるのもおすすめです。

第9位:オリーブオイル

オリーブオイルはオレイン酸を多く含み、血中脂質のバランスを整えることで血圧の安定に関与することが報告されています。ドレッシングや炒め物に取り入れることで、手軽に活用できます。

第10位:ヨーグルト(無糖タイプ)

ヨーグルトにはカルシウムや乳酸菌が含まれており、血圧へのよい影響が期待されています。砂糖が多く含まれた製品ではなく、無糖タイプやプレーンタイプを選ぶのがポイントです。

注意すべき落とし穴

ここまで血圧対策におすすめの食べ物を紹介してきましたが、どんなに体によいと言われる食品でも「食べすぎ」や「体質との相性」によって逆効果になる場合があります

ここでは、それぞれの食品について、摂取の際に気をつけたいポイントを整理しておきます。

食品注意点
バナナカリウムが豊富なため、腎機能が低下している方は摂取量に注意。1日1〜2本を目安に。
納豆ワーファリン(抗凝固薬)を服用中の方は医師・薬剤師に相談を。タレの塩分にも注意。
トマトジュースなどの加工品は塩分が多いタイプがあるため、減塩タイプを選ぶこと。
青魚焼き魚の焦げ部分に含まれる成分に注意。煮る・蒸すなど調理法の工夫を。
ほうれん草シュウ酸を多く含むため、茹でてから食べることで結石リスクを抑えられる。
アボカド高カロリーなため、1日に1/2個程度が目安。食べすぎに注意。
海藻類ヨウ素を含むため、甲状腺機能に影響がある方は過剰摂取を避ける。
豆類・豆腐尿酸値が高めの方は食べすぎに注意。バランスよく取り入れるのが大切。
オリーブオイル健康によい油でも摂りすぎはカロリー過多になるため、使いすぎに注意。
ヨーグルト加糖タイプは糖質が多くなるため、無糖のプレーンタイプを選ぶのがおすすめ。

体に良い食品は、継続的に・適量を・バランスよく取り入れることが何より大切です。

気になる症状や持病がある方は、自己判断せずにかかりつけの医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

まとめ

血圧を安定させるためには、日々の生活習慣や食事内容の見直しがとても大切です。

今回ご紹介したような食品は、薬の代わりになるものではありませんが、体にやさしい方法で血圧のバランスを整える手助けになる可能性があります。

とはいえ、どんな食品でも「摂りすぎ」や「体質との相性」によっては逆効果になることもあります。ご自身の体調や生活スタイルに合わせて、無理なく取り入れてみてください。

また、すでに高血圧の診断を受けている方、他の持病がある方は、自己判断せずに医師や薬剤師に相談することが大切です。

本記事が、皆さまの健康的な毎日の参考になれば幸いです。


参考文献・出典

  • 厚生労働省「e-ヘルスネット」:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
  • 農研機構(NARO)「カリウム摂取と血圧の関係」
  • 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」
  • カゴメ株式会社「GABA含有トマトに関する研究」
  • 日本食品標準成分表(文部科学省)

※本記事は薬剤師の視点で作成した情報提供を目的とするものであり、特定の疾病の予防・治療を目的としたものではありません。

この記事を書いた人 Wrote this article

ゆうぞう

みなさんこんにちは! このサイトを運営しているゆうぞうと申します。 現在はとある調剤薬局で管理薬剤師をしております。 このサイトでは将来生活習慣病で困ることの無いように、今からできる対策などについて情報発信していきます。

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