健康診断や家庭で血圧を測ったときに、「血圧が高めですね」「少し低めですね」と言われると、不安になりますよね。
血圧は高すぎても低すぎても、体の状態を知る大切なサインになります。
ただ、実際には、
「高血圧と低血圧は何が違うの?」
「どちらの方が危ないの?」
「症状がなければ放っておいてもいいの?」
と迷う方も多いと思います。
高血圧は、血管にかかる圧力が高い状態です。自覚症状がないまま進むこともあり、放置すると心臓や血管に負担がかかることがあります。
一方、低血圧は血圧が低めの状態で、立ちくらみ・めまい・だるさなど、日常生活に影響する症状が出ることがあります。
つまり、高血圧と低血圧は「血圧の数字が違う」だけでなく、注意したい症状や対策の考え方も異なります。
この記事では、薬剤師の視点から、高血圧と低血圧の違い、起こりやすい症状、原因として考えられること、相談した方がよいケースをわかりやすく整理します。
「自分の血圧が高めなのか、低めなのか、どう見ればいいのか分からない」という方は、まず基本を確認してみてください。
この記事でわかること
- 高血圧と低血圧の基本的な違い
- 高血圧で注意したい症状やリスク
- 低血圧で起こりやすい症状
- 血圧が高い・低いと言われたときに確認したいこと
- 医療機関に相談した方がよいケース
高血圧と低血圧は何が違う?
高血圧と低血圧は、どちらも「血圧」に関する状態ですが、意味は大きく異なります。
簡単にいうと、高血圧は血管にかかる圧力が高い状態です。
一方、低血圧は血圧が低めで、人によってはめまい・立ちくらみ・だるさなどが出る状態です。
どちらも血圧の数字に関係しますが、注意したいポイントは同じではありません。
高血圧で特に注意したいのは、自覚症状がないまま進むことがある点です。
「特に体調は悪くないから大丈夫」と思っていても、血圧が高い状態が続くと、心臓や血管に負担がかかりやすくなります。
そのため、健康診断や家庭血圧で高めの数値が続く場合は、症状がなくても軽く見ないことが大切です。
一方で、低血圧は、血圧の数字だけでなく症状があるかどうかも重要になります。
血圧が低めでも、日常生活に支障がなく、めまいやふらつきなどがなければ、大きな問題にならないこともあります。
ただし、立ちくらみが多い、朝起きるのがつらい、失神しそうになる、転倒しそうになるといった症状がある場合は、医療機関で相談した方が安心です。
つまり、高血圧と低血圧の違いは、単に「数字が高いか低いか」だけではありません。
- 高血圧:血管や心臓への負担に注意が必要
- 低血圧:めまい・立ちくらみなど生活への影響に注意が必要
また、対策の考え方も異なります。
高血圧では、減塩、体重管理、運動、睡眠、飲酒、喫煙、ストレスなどの生活習慣を見直すことが大切です。
低血圧では、脱水、食事量の不足、急な立ち上がり、薬の影響、体質などを確認することがあります。
血圧が高い場合と低い場合で、同じ対応をすればよいわけではありません。
だからこそ、まずは自分の血圧がどちらに近いのか、そして症状があるのかを整理することが大切です。
次の章では、まず高血圧について、どのような状態なのかを詳しく見ていきます。
高血圧とは?血管にかかる圧が高い状態
高血圧とは、血液が血管の壁を押す力が高い状態のことです。
血液は、心臓がポンプのように働くことで全身へ送り出されています。
その血液が血管の中を流れるとき、血管の壁には内側から圧力がかかります。
この圧力が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかりやすくなります。
高血圧の目安
一般的に、高血圧の目安は、病院や健診会場で測る診察室血圧と、家庭で測る家庭血圧で少し異なります。
| 測定場所 | 高血圧の目安 |
|---|---|
| 診察室血圧 | 140/90mmHg以上 |
| 家庭血圧 | 135/85mmHg以上 |
診察室血圧は、病院や健診会場などで測る血圧です。
家庭血圧は、自宅で家庭用血圧計を使って測る血圧です。
家庭では病院よりもリラックスした状態で測れることが多いため、高血圧の目安は少し低めに設定されています。
ただし、血圧は1回の測定だけでは判断しにくい数字です。
緊張、寝不足、寒さ、運動直後、ストレス、カフェインなどで一時的に高く出ることもあります。
そのため、1回だけ高かったからといって、すぐに自分で高血圧と決めつける必要はありません。
一方で、何度測っても高めの数値が続く場合は、放置せず医療機関で相談することが大切です。
高血圧は自覚症状がないことも多い
高血圧で注意したいのは、自覚症状がないまま進むことがある点です。
「頭痛もないし、体調も悪くないから大丈夫」と思いたくなる方もいるかもしれません。
しかし、血圧が高い状態が続いていても、最初は特に症状を感じないことがあります。
だからこそ、健康診断や家庭血圧の記録が大切になります。
血圧は、体調が悪くなってから確認するものではなく、日頃から状態を知っておくための大切なサインです。
高血圧に関係しやすい要因
高血圧には、いくつかの生活習慣や体の状態が関係します。
代表的なものとしては、次のような要因があります。
- 塩分のとりすぎ
- 体重増加や肥満
- 運動不足
- 飲酒量が多い
- 喫煙
- 睡眠不足
- ストレス
- 加齢による血管の変化
- 遺伝的な体質
特に日本人では、食塩のとりすぎが高血圧に関わりやすいとされています。
ただし、血圧は塩分だけで決まるものではありません。
運動不足、睡眠、ストレス、体重、飲酒なども関係するため、生活全体を見直すことが大切です。
高血圧と言われたらどうすればいい?
高血圧と言われたときに、まず大切なのは慌てすぎないことです。
ただし、何もしないまま放置するのもおすすめできません。
まずは、家庭でも血圧を測って、自分の普段の血圧を確認してみましょう。
そのうえで、食事・運動・睡眠・飲酒・喫煙・ストレスなど、見直せる生活習慣を少しずつ整えていくことが大切です。
また、血圧が高い状態が続く方、すでに治療中の方、気になる症状がある方は、自己判断せず医師に相談しましょう。
血圧向けのお茶やサプリ、トクホ、機能性表示食品が気になる方もいるかもしれません。
しかし、健康食品やサプリは医薬品ではなく、高血圧を治療するものではありません。
まずは家庭血圧の記録と生活習慣の見直しを基本にし、必要に応じて補助的に考えるようにしましょう。
次の章では、低血圧とはどのような状態なのかを整理していきます。
低血圧とは?血圧が低めで症状が出ることもある状態
低血圧とは、一般的に血圧が低めの状態を指します。
高血圧と比べると、低血圧は「どこからが低血圧か」という基準が少し分かりにくいところがあります。
高血圧では、診察室血圧で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上といった目安があります。
一方、低血圧は血圧の数値だけでなく、症状があるかどうかも大切になります。
血圧が低めでも症状がなければ問題にならないこともある
血圧が低めでも、めまいや立ちくらみがなく、日常生活に支障がない方もいます。
このような場合、体質的に血圧が低めということもあります。
そのため、「血圧が低い=必ず危険」と考える必要はありません。
ただし、症状がある場合は別です。
低血圧によって日常生活に影響が出ている場合は、一度原因を確認しておく方が安心です。
低血圧で起こりやすい症状
低血圧では、血液を全身へ送る力が弱くなったり、急な姿勢変化に体がついていきにくくなったりすることで、症状が出ることがあります。
代表的な症状には、次のようなものがあります。
- 立ちくらみ
- めまい
- ふらつき
- だるさ
- 朝起きにくい
- 気分が悪くなる
- 動悸
- 失神しそうになる
特に、急に立ち上がったときに目の前が暗くなる、ふらっとする、座り込んでしまうような場合は注意が必要です。
転倒につながることもあるため、症状が繰り返す方は医療機関で相談しましょう。
起立性低血圧にも注意
低血圧の中でも、日常生活でよく問題になるのが起立性低血圧です。
起立性低血圧は、横になっている状態や座っている状態から立ち上がったときに、血圧が下がってめまいや立ちくらみが起こる状態です。
朝起きた直後、長時間座ったあと、入浴後、暑い場所にいるときなどに起こりやすいことがあります。
「立ち上がると毎回ふらつく」
「朝、起き上がると気分が悪くなる」
「入浴後に立ちくらみが出やすい」
このような場合は、体質だけで片づけず、相談しておくと安心です。
低血圧に関係しやすい要因
低血圧には、体質だけでなく、生活習慣や体調、薬の影響が関係することもあります。
たとえば、次のような要因です。
- 脱水
- 食事量の不足
- 睡眠不足
- 急な立ち上がり
- 長時間の立ちっぱなし
- 入浴後や暑い環境
- 薬の影響
- 貧血や体調不良
特に、利尿薬や降圧薬などを服用している方では、血圧が下がりすぎたり、立ちくらみが出たりすることがあります。
薬を飲んでいてふらつきやめまいがある場合は、自己判断で薬を中止せず、医師や薬剤師に相談してください。
低血圧で気をつけたいこと
低血圧が気になる方は、まず症状があるかどうかを確認しましょう。
症状がある場合は、いつ起こるのかも大切です。
- 朝起きたときに多いのか
- 立ち上がったときに多いのか
- 食後に起こりやすいのか
- 入浴後に起こりやすいのか
- 暑い日に悪化しやすいのか
このように、症状が出るタイミングを記録しておくと、相談するときに役立ちます。
また、めまいや立ちくらみがある方は、急に立ち上がらない、脱水に注意する、入浴後はゆっくり動くなど、転倒を防ぐ工夫も大切です。
低血圧は、高血圧と同じ対策をすればよいわけではありません。
血圧が低めで体調不良が続く方は、自己判断せず、医療機関で相談しましょう。
次の章では、高血圧と低血圧の違いを比較表で整理します。
高血圧と低血圧の違いを比較表で整理

ここまで、高血圧と低血圧についてそれぞれ説明してきました。
どちらも血圧に関する状態ですが、注意したいポイントや対策の考え方は異なります。
一度、表で整理してみましょう。
| 項目 | 高血圧 | 低血圧 |
|---|---|---|
| 状態 | 血管にかかる圧力が高い状態 | 血圧が低めの状態 |
| 目安 | 診察室血圧140/90mmHg以上 家庭血圧135/85mmHg以上 | 明確な基準だけでなく、症状の有無も重要 |
| 起こりやすい症状 | 自覚症状がないことも多い 頭痛・めまいなどが出ることもある | 立ちくらみ・めまい・ふらつき・だるさなど |
| 注意点 | 症状がなくても、血管や心臓に負担がかかることがある | 症状がある場合、転倒や日常生活への影響に注意 |
| 関係しやすい要因 | 塩分のとりすぎ、肥満、運動不足、飲酒、喫煙、睡眠不足、ストレスなど | 体質、脱水、食事量不足、薬の影響、急な立ち上がり、貧血など |
| 基本的な対応 | 家庭血圧の記録、生活習慣の見直し、必要に応じて受診 | 症状の有無やタイミングを確認し、必要に応じて相談 |
このように見ると、高血圧と低血圧は「血圧の数字が高いか低いか」だけではないことが分かります。
高血圧では、症状がなくても血管や心臓への負担を考える必要があります。
一方、低血圧では、血圧の数字だけでなく、めまい・立ちくらみ・だるさなどの症状が生活に影響していないかが大切です。
高血圧と低血圧では、見るべきポイントが違う
高血圧の場合は、血圧の数値が継続して高いかどうかを確認することが重要です。
特に、家庭血圧で高めの数値が続く場合は、健診結果だけで判断せず、記録を持って医療機関に相談しましょう。
低血圧の場合は、数値だけでなく、日常生活に支障があるかを見ます。
たとえば、立ち上がるたびにふらつく、朝起きられないほどだるい、入浴後に倒れそうになるなどの症状がある場合は注意が必要です。
どちらも自己判断だけで放置しない
高血圧も低血圧も、自己判断だけで放置しないことが大切です。
高血圧は、症状がないまま続くことがあります。
低血圧は、症状がある場合に転倒や生活への影響が出ることがあります。
また、薬を飲んでいる方では、血圧が高すぎる場合だけでなく、下がりすぎる場合にも注意が必要です。
血圧の数値や症状で不安がある方は、血圧手帳や家庭血圧の記録を持って相談しましょう。
次の章では、高血圧で特に注意したい症状やリスクについて整理していきます。
高血圧で注意したい症状とリスク
高血圧で特に注意したいのは、自覚症状がないまま進むことがある点です。
血圧が高い状態が続いていても、最初は「特にしんどくない」「いつも通り生活できている」と感じる方も少なくありません。
そのため、高血圧は健康診断や家庭血圧の記録で初めて気づくこともあります。
「症状がないから大丈夫」と思いたくなる気持ちもありますが、血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかりやすくなります。
高血圧で出ることがある症状
高血圧そのものは、はっきりした症状が出にくいことがあります。
ただし、血圧がかなり高くなっている場合や、体に負担がかかっている場合には、次のような症状が出ることもあります。
- 頭痛
- めまい
- 動悸
- 息切れ
- 肩こり
- 耳鳴り
- 顔のほてり
- 目のかすみ
ただし、これらの症状は高血圧だけで起こるものではありません。
疲れ、寝不足、ストレス、貧血、耳の病気、目の病気など、ほかの原因でも起こることがあります。
そのため、「頭痛があるから高血圧」「めまいがあるから血圧のせい」と自己判断するのは避けましょう。
すぐに相談した方がよい症状
高血圧が気になる方で、次のような症状がある場合は注意が必要です。
- 突然の強い頭痛
- 胸の痛み
- 息苦しさ
- 片側の手足に力が入らない
- 手足のしびれ
- ろれつが回らない
- 急に視界がぼやける、見えにくい
- 意識がぼんやりする
このような症状がある場合は、自己判断で様子を見ず、すぐに医療機関へ相談してください。
特に、片側の手足の麻痺、ろれつが回らない、激しい頭痛、胸の痛み、息苦しさなどは、脳や心臓に関わる病気のサインである可能性もあります。
「少し休めば治るかも」と我慢せず、早めに対応することが大切です。
高血圧で心配されるリスク
高血圧は、血管や心臓に負担がかかりやすい状態です。
血管に強い圧がかかり続けると、血管が傷みやすくなったり、硬くなりやすくなったりすることがあります。
その結果、脳、心臓、腎臓などに関わる病気のリスクが高まることが知られています。
たとえば、次のような病気と関係します。
- 脳卒中
- 心筋梗塞
- 心不全
- 腎機能の低下
- 動脈硬化の進行
もちろん、血圧が一度高かっただけで、すぐにこれらの病気になるという意味ではありません。
大切なのは、血圧が高めの状態が続いていないかを確認し、必要に応じて早めに生活習慣の見直しや受診につなげることです。
症状がないからこそ、測定と記録が大切
高血圧は、症状だけで判断しにくいことがあります。
だからこそ、健康診断や家庭血圧の記録が大切です。
家庭で血圧を測っておくと、普段の血圧がどのくらいなのか、朝だけ高いのか、夜も高いのかといった傾向が見えやすくなります。
また、医師に相談するときにも、家庭血圧の記録があると状況を伝えやすくなります。
高血圧は、怖がりすぎる必要はありません。
ただし、見なかったことにするのもおすすめできません。
症状がないうちから、自分の血圧を知っておくことが、将来の健康を守るための第一歩になります。
次の章では、低血圧で注意したい症状や生活への影響について整理していきます。
低血圧で注意したい症状と生活への影響
低血圧は、高血圧と比べると「危険」というイメージを持たれにくいかもしれません。
実際、血圧が低めでも症状がなく、日常生活に支障がない方もいます。
そのような場合は、体質的に血圧が低めということもあり、必ずしも大きな問題になるとは限りません。
ただし、低血圧によってめまい・立ちくらみ・だるさなどが続く場合は、生活に影響が出ることがあります。
低血圧で起こりやすい症状
低血圧でよく見られる症状には、次のようなものがあります。
- 立ちくらみ
- めまい
- ふらつき
- だるさ
- 朝起きにくい
- 頭が重い
- 動悸
- 気分が悪くなる
- 失神しそうになる
特に、立ち上がったときにふらつく、目の前が暗くなる、座り込んでしまうといった症状がある場合は注意が必要です。
転倒につながることもあるため、繰り返す場合は医療機関で相談しましょう。
朝がつらい・動き出しにくいこともある
低血圧の方の中には、朝起きるのがつらい、午前中に体が重い、動き出すまで時間がかかるという方もいます。
もちろん、朝が苦手な原因がすべて低血圧というわけではありません。
睡眠不足、疲労、貧血、ストレス、生活リズムの乱れなども関係します。
ただ、血圧が低めで、朝のだるさや立ちくらみが続く場合は、自分の血圧や症状の出方を記録しておくと相談しやすくなります。
入浴後や暑い日にも注意
低血圧の症状は、入浴後や暑い環境で出やすくなることがあります。
入浴後は血管が広がりやすく、急に立ち上がるとふらつくことがあります。
また、暑い日や汗をかいた日は、脱水気味になることで血圧が下がりやすくなる場合もあります。
低血圧が気になる方は、次のような点を意識してみましょう。
- 入浴後は急に立ち上がらない
- 長湯をしすぎない
- 暑い日は水分不足に注意する
- 朝はゆっくり起き上がる
- ふらつくときは無理に動かない
特に高齢の方や、薬を飲んでいる方では、転倒予防も大切です。
薬の影響で血圧が下がることもある
低血圧の症状がある場合、薬の影響が関係していることもあります。
たとえば、血圧の薬、利尿薬、睡眠薬、抗不安薬などを使用している方では、ふらつきや立ちくらみが出ることがあります。
ただし、症状があるからといって、自己判断で薬を中止するのは避けてください。
薬を急にやめることで、かえって体調に影響することもあります。
薬を飲み始めてからふらつきが出た、立ちくらみが増えた、朝のだるさが強くなったと感じる場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
症状が続く場合は原因を確認する
低血圧による症状は、体質だけでなく、貧血、脱水、栄養不足、心臓の病気、内分泌の異常などが関係することもあります。
そのため、めまいや立ちくらみが頻繁にある場合、失神しそうになる場合、日常生活に支障が出ている場合は、一度医療機関で相談することが大切です。
相談するときは、次のような情報をメモしておくと役立ちます。
- 症状が出る時間帯
- 立ち上がったときに出るのか
- 入浴後や食後に出るのか
- 血圧の記録
- 現在飲んでいる薬
- 食事量や水分摂取量
低血圧は、高血圧とは違った意味で生活に影響することがあります。
数字だけでなく、症状や生活への支障をあわせて確認しましょう。
次の章では、血圧が高い・低いと言われたときに、まず確認したいことを整理します。
血圧が高い・低いと言われたときにまず確認したいこと
健康診断や家庭で血圧を測ったときに、「血圧が高めですね」「少し低めですね」と言われると、不安になりますよね。
ただ、血圧は1回の数値だけで判断しにくいことがあります。
大切なのは、数字だけを見て慌てるのではなく、測定条件・症状・生活習慣・服薬状況をあわせて確認することです。
まずは測定条件を振り返る
血圧は、測る前の行動や環境によって変わります。
たとえば、次のような状況では、一時的に高く出たり、低く出たりすることがあります。
- 病院や健診会場で緊張していた
- 階段を上った直後だった
- 寒い場所で測った
- 寝不足だった
- カフェインや喫煙の直後だった
- 入浴後や食後だった
- 水分不足や体調不良があった
1回だけ高い、または低い数値が出た場合は、まず測定した状況を振り返ってみましょう。
もちろん、「条件が悪かっただけ」と自己判断で片づけるのはおすすめできません。
ただ、血圧は変動しやすい数字なので、測定条件も一緒に見ることが大切です。
症状があるか確認する
血圧を見るときは、数字だけでなく症状の有無も確認しましょう。
高血圧では、症状がないまま進むこともあります。
一方で、低血圧では、めまいや立ちくらみなどの症状が生活に影響することがあります。
特に、次のような症状がある場合は注意が必要です。
- 強い頭痛
- 胸の痛み
- 息苦しさ
- 片側の手足に力が入らない
- ろれつが回らない
- 視界がぼやける、急に見えにくい
- 失神しそうになる
- 転倒しそうなふらつきがある
このような症状がある場合は、自己判断で様子を見ず、医療機関へ相談してください。
家庭血圧を記録する
血圧が高い・低いと言われたときは、家庭でも血圧を測って記録してみましょう。
病院や健診会場だけでは、普段の血圧の状態が分かりにくいことがあります。
家庭で朝と夜に測ることで、血圧の傾向が見えやすくなります。
- 朝だけ高いのか
- 夜も高いのか
- 立ち上がったときに低くなりやすいのか
- 睡眠不足の日に変化しやすいのか
- 入浴後や食後に症状が出やすいのか
このような傾向が分かると、医師や薬剤師に相談するときにも説明しやすくなります。
血圧手帳、スマホアプリ、カレンダーなど、続けやすい方法で記録しておきましょう。
生活習慣を振り返る
血圧は、毎日の生活習慣とも関係しています。
高血圧では、塩分のとりすぎ、体重増加、運動不足、飲酒、喫煙、睡眠不足、ストレスなどが関係しやすいです。
低血圧では、脱水、食事量の不足、急な立ち上がり、入浴後、薬の影響などが関係することがあります。
ただし、いきなり生活を全部変えようとすると続きにくくなります。
まずは、今の生活の中で無理なく変えられることをひとつ選ぶくらいで大丈夫です。
- 血圧が高めなら、汁物や麺類の汁を残す
- 血圧が高めなら、夕食後に少し歩く
- 血圧が低めなら、急に立ち上がらない
- 血圧が低めなら、水分不足に注意する
- どちらの場合も、睡眠不足や疲労をためすぎない
行動経済学の視点で見ると、人は大きな変化よりも、今の生活に近い小さな変化の方が続けやすい傾向があります。
「完璧に変える」よりも、「まずひとつだけ変える」ことを意識してみましょう。
薬を飲んでいる方は自己判断しない
すでに血圧の薬を飲んでいる方は、血圧が高い場合も低い場合も自己判断で薬を調整しないようにしましょう。
「血圧が下がってきたから薬を減らそう」
「ふらつくから薬をやめよう」
このように自分で判断してしまうと、血圧が不安定になることがあります。
薬の量や種類は、医師が血圧の状態、年齢、持病、腎臓や心臓の状態、ほかの薬との関係を見ながら調整しています。
気になる症状がある場合は、薬をやめるのではなく、まず医師や薬剤師に相談してください。
血圧が高い・低いと言われたときは、数字だけで判断するのではなく、測定条件、症状、生活習慣、服薬状況をあわせて整理することが大切です。
次の章では、自己判断せず相談した方がよいケースをまとめます。
自己判断せず相談した方がよいケース

血圧が高い・低いと感じる場合でも、自己判断だけで薬を中止したり、治療の必要性を判断したりするのは避けましょう。
強い頭痛・胸の痛み・息苦しさ・手足のしびれ・ろれつが回らない・失神しそうになるなどの症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
血圧が高い・低いと言われたとき、すべてのケースですぐに緊急対応が必要というわけではありません。
ただし、中には自己判断で様子を見るより、早めに医療機関へ相談した方がよいケースもあります。
特に、症状がある場合や、数値の変化が大きい場合、薬を飲んでいる場合は注意が必要です。
高血圧で早めに相談したいケース
高血圧は、自覚症状がないまま進むことがあります。
そのため、体調が悪くなくても、血圧が高めの状態が続く場合は相談しておく方が安心です。
特に、次のような場合は医療機関で相談しましょう。
- 家庭血圧で135/85mmHg以上が続く
- 健診や病院で何度も血圧が高いと言われている
- 上の血圧がかなり高い数値で何度も出る
- 血圧が急に高くなった
- 頭痛・動悸・息切れなどが続く
- 糖尿病・腎臓病・心臓病などで治療中
1回だけ高かった場合でも、気になるときは家庭血圧を記録しておくと、相談時に役立ちます。
すぐに受診を考えたい症状
血圧が高いときに、次のような症状を伴う場合は注意が必要です。
- 突然の強い頭痛
- 胸の痛み
- 強い息苦しさ
- 片側の手足に力が入らない
- 手足のしびれ
- ろれつが回らない
- 急に視界がぼやける、見えにくい
- 意識がぼんやりする
このような症状がある場合は、脳や心臓に関わる病気が隠れている可能性もあります。
「少し休めば大丈夫」と自己判断せず、すぐに医療機関へ相談してください。
低血圧で相談した方がよいケース
低血圧は、症状がなければ大きな問題にならないこともあります。
しかし、めまいや立ちくらみが繰り返し起こる場合は、生活に影響が出ることがあります。
次のような場合は、一度相談しておくと安心です。
- 立ちくらみやめまいが頻繁にある
- 失神しそうになる、または失神したことがある
- 入浴後や食後にふらつきやすい
- 朝起きられないほどだるい
- 転倒しそうになることがある
- 薬を飲み始めてからふらつきが増えた
- 食事量が少ない、脱水が疑われる
低血圧の症状は、体質だけでなく、貧血、脱水、薬の影響、心臓や内分泌の病気などが関係することもあります。
症状が続く場合は、原因を確認しておくことが大切です。
薬を飲んでいる方は特に注意
すでに血圧の薬を飲んでいる方は、血圧が高い場合も低い場合も自己判断で薬を調整しないようにしましょう。
薬の量を減らしたり、飲むのをやめたりすると、血圧が不安定になることがあります。
反対に、ふらつきがあるのに我慢して飲み続けることで、転倒リスクにつながる場合もあります。
気になる症状があるときは、自己判断で中止するのではなく、医師や薬剤師に相談してください。
薬局で相談する場合は、お薬手帳と血圧の記録を持っていくと、状況を整理しやすくなります。
相談するときに持っていくとよい情報
医療機関や薬局で相談するときは、血圧の数字だけでなく、症状や生活の状況も伝えると分かりやすくなります。
次のような情報をメモしておくと役立ちます。
- 朝・夜の血圧の記録
- 症状が出た時間帯
- 症状が出るタイミング
- 現在飲んでいる薬やサプリ
- 持病や通院状況
- 最近の睡眠・食事・水分摂取の状況
血圧は、数字だけでなく、生活や体調の変化とあわせて見ることが大切です。
不安なときは一人で判断せず、記録を持って相談しましょう。
次の章では、高血圧と低血圧に関連する記事を目的別に紹介します。
関連記事
ここまで、高血圧と低血圧の違い、起こりやすい症状、注意したいケースについて整理してきました。
血圧は「高いか低いか」だけでなく、測定条件、症状の有無、生活習慣、服薬状況をあわせて見ることが大切です。
ここでは、血圧についてさらに詳しく知りたい方に向けて、関連記事を目的別に紹介します。
血圧の基本を知りたい方へ
「そもそも血圧とは何か」「上の血圧と下の血圧は何が違うのか」を知りたい方は、まず基礎知識の記事から読むと理解しやすくなります。
血圧の数字の見方や、診察室血圧と家庭血圧の違いも整理しています。
関連記事:
血圧とは?上の血圧・下の血圧・正常値の見方を薬剤師がわかりやすく解説
血圧が高めと言われた方へ
健康診断や家庭血圧で「血圧が高め」と言われた方は、まず何から見直すべきかを整理しておくと安心です。
食事・運動・睡眠・ストレス・家庭血圧・健康食品の考え方まで、全体像を確認したい方はこちらの記事を参考にしてください。
関連記事:
血圧が気になる人へ|食事・運動・測定習慣・健康食品の選び方を薬剤師が解説
家庭で血圧を測りたい方へ
血圧は、1回だけの測定では判断しにくい数字です。
家庭で朝と夜に測って記録することで、自分の普段の血圧の傾向が見えやすくなります。
家庭血圧の測り方や記録のコツを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:
家庭血圧の正しい測り方|朝・夜のタイミングと記録のコツを薬剤師が解説
血圧が急に上がって不安な方へ
血圧が急に高く出ると、「このまま倒れるのでは」と不安になることがあります。
急な血圧上昇には、ストレス、寒暖差、睡眠不足、飲酒、塩分の多い食事などが関係することもあります。
血圧が急に上がる原因や、注意したい症状を知りたい方はこちらの記事も参考になります。
関連記事:
血圧が急に上がる原因は?ストレス・食事・睡眠との関係を解説
血圧が高いときの症状を知りたい方へ
高血圧は自覚症状がないまま進むこともありますが、強い頭痛・胸の痛み・息苦しさ・手足のしびれなどがある場合は注意が必要です。
血圧が高いときに注意したい症状や受診目安を知りたい方は、こちらの記事も確認してみてください。
関連記事:
血圧が高いとどんな症状が出る?放置してはいけないサインと受診目安
血圧向けの健康食品やサプリが気になる方へ
血圧が気になると、お茶・サプリ・トクホ・機能性表示食品などを試してみたくなる方もいると思います。
ただし、健康食品やサプリは医薬品ではなく、高血圧を治療するものではありません。
選ぶ前に基本的な考え方や注意点を整理したい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:
血圧が気になる人向け健康食品の選び方|トクホ・機能性表示食品・成分の違いを薬剤師が解説
関連記事:
血圧サプリを選ぶ前に知っておきたい注意点|薬剤師が解説
血圧に関する記事は、それぞれ役割が少しずつ違います。
まずは基本を知り、自分の状態に近い記事から読み進めることで、必要な情報を整理しやすくなります。
まとめ|高血圧と低血圧はどちらも数字と症状をセットで見よう
高血圧と低血圧は、どちらも血圧に関する状態ですが、注意したいポイントは異なります。
高血圧は、血管にかかる圧力が高い状態です。
自覚症状がないまま進むこともあり、血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかりやすくなります。
一方、低血圧は血圧が低めの状態です。
症状がなければ大きな問題にならないこともありますが、めまい・立ちくらみ・だるさ・失神しそうになるなど、生活に影響する症状がある場合は注意が必要です。
この記事のポイントを整理すると、次の通りです。
- 高血圧は、血管にかかる圧力が高い状態
- 低血圧は、血圧が低めで症状が出ることもある状態
- 高血圧は自覚症状がないまま進むことがある
- 低血圧は、めまい・立ちくらみ・だるさなど生活への影響に注意
- 高血圧と低血圧では、原因や対策の考え方が異なる
- 血圧は1回の数値だけでなく、継続した記録と症状をあわせて見ることが大切
- 薬を飲んでいる方は、自己判断で薬を中止・調整しない
血圧は、数字だけを見て「高い」「低い」と判断したくなります。
しかし、本当に大切なのは、血圧の数字と症状、生活への影響をセットで見ることです。
高血圧の場合は、症状がなくても家庭血圧の記録や健診結果をもとに、早めに生活習慣を見直すことが大切です。
低血圧の場合は、血圧が低めでも症状がなければ問題にならないこともありますが、ふらつきや失神しそうになる症状が続く場合は相談しましょう。
また、血圧の薬を飲んでいる方は、数値が高い場合も低い場合も、自己判断で薬を調整しないようにしてください。
気になる症状があるときは、血圧の記録やお薬手帳を持って、医師や薬剤師に相談することが大切です。
血圧は、今の体の状態を教えてくれるサインのひとつです。
不安になりすぎる必要はありませんが、見なかったことにするのもおすすめできません。
日々の記録と体調の変化を確認しながら、自分に合った健康管理につなげていきましょう。
参考文献・参考情報
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-003.html - 日本高血圧学会「家庭で血圧を測定しましょう」
https://www.jpnsh.jp/pub_katei.html - 日本高血圧学会「高血圧の10のファクト〜国民の皆さんへ〜」
https://www.jpnsh.jp/10_facts.html - MSDマニュアル家庭版「低血圧」
MSDマニュアル家庭版「低血圧」
※本記事は、上記の公的機関・医療情報を参考に、薬剤師の視点から一般の方向けにわかりやすく整理したものです。
※本記事は、病気の診断・治療を目的としたものではありません。血圧が高い状態が続く方、めまいやふらつきなど気になる症状がある方、すでに治療中の方は、自己判断せず医師・薬剤師に相談してください。
この記事を書いた人 Wrote this article
アラサー薬剤師 研修認定薬剤師
みなさんこんにちは! このサイトを運営しているアラサー薬剤師と申します。 現在はとある調剤薬局で管理薬剤師をしております。 このサイトでは将来生活習慣病で困ることの無いように、今からできる対策などについて情報発信していきます。 薬剤師歴8年 研修認定薬剤師4年目 学校薬剤師3年目 休日夜間急病センター4年目