健康診断や家庭での測定で「血圧が少し高めかも」と言われると、少し不安になりますよね。
「すぐに薬が必要なのかな?」
「まず食事を変えた方がいい?」
「血圧対策のサプリやお茶って、本当に意味があるの?」
このように、何から始めればいいのか迷う方はとても多いと思います。
血圧は、食事・運動・体重・睡眠・ストレス・飲酒・喫煙など、いろいろな生活習慣と関係しています。
特に日本人では、食塩のとりすぎが高血圧の大きな原因のひとつとされています。
一方で、血圧が気になるからといって、いきなり健康食品やサプリだけに頼るのはおすすめできません。
健康食品はあくまで生活習慣を支える選択肢のひとつであり、治療の代わりになるものではないからです。
この記事では、薬剤師の視点から、血圧が気になる方がまず見直したい生活習慣、家庭での血圧測定の考え方、トクホ・機能性表示食品・サプリの違い、健康食品を選ぶときの注意点まで、できるだけわかりやすく解説します。
「血圧が気になるけれど、何から始めたらいいかわからない」という方は、まず全体像を整理するつもりで読んでみてください。
この記事でわかること
- 血圧が高めと言われたときに最初に見直したいこと
- 食事・運動・睡眠・ストレスと血圧の関係
- 家庭で血圧を測るときのポイント
- トクホ・機能性表示食品・サプリの違い
- 血圧が気になる方向け健康食品の選び方
血圧が気になると言われたら、まず何から見直す?
健康診断や家庭での測定で「血圧が高めですね」と言われると、まず何をすればいいのか迷いますよね。
「すぐに薬を飲まないといけないのかな?」
「減塩すればいいの?」
「血圧に良さそうなお茶やサプリを試した方がいい?」
このように考える方は多いと思います。
ただ、血圧が気になるときに最初に大切なのは、いきなり何かひとつに飛びつくことではありません。
まずは、自分の血圧がどのくらいの状態なのかを知ること、そして生活習慣の中で見直せる部分を整理することです。
血圧は、1回測った数値だけで判断しにくいことがあります。
緊張しているとき、寝不足のとき、寒い日、仕事や家事でバタバタした後などは、一時的に高く出ることもあります。
たとえば、病院や健診会場で測ると高く出やすい方もいます。
反対に、健診ではそこまで高くないのに、家庭で測ると高いタイプの方もいます。
血圧は「その日の一発勝負の点数」というより、毎日の傾向を見るものだと考えるとわかりやすいです。
日本高血圧学会でも、高血圧かどうかを知るためには、健診や職場検診などでの測定に加えて、家庭で血圧を測ることが必要だと説明しています。
高血圧は自覚症状がないまま進むこともあるため、「症状がないから大丈夫」と判断しないことが大切です。
血圧が気になる方がまず取り組みたいのは、次の3つです。
- 家庭で血圧を測る習慣をつける
- 食事・運動・睡眠・飲酒などの生活習慣を見直す
- 必要に応じて医師や薬剤師に相談する
特に、健康診断で何度も血圧が高めと言われている方、家庭で測っても高い数値が続く方、すでに血圧の薬を飲んでいる方は、自己判断で放置したり、健康食品だけで何とかしようとしたりするのは避けましょう。
健康食品やサプリは、生活習慣を整えるうえでの補助的な選択肢にはなります。
しかし、血圧を「治す」ものではなく、薬の代わりにもなりません。
まずは、血圧の状態を知る。次に、生活習慣を見直す。そのうえで、必要に応じて健康食品やサプリを選ぶ。
この順番で考えると、焦って商品を選んで失敗するリスクも減らせます。
血圧対策は、家でたとえるなら「雨漏りしている場所を探さずに、いきなり新しい屋根材だけ買う」ようなものではうまくいきません。
まずは、どこに原因がありそうかを確認してから、必要な対策を重ねていくことが大切です。
血圧が高めになる原因はひとつではない
血圧が高めと言われると、まず「塩分をとりすぎているのかな?」と考える方が多いかもしれません。
もちろん、塩分のとりすぎは血圧に関係する大きな要因のひとつです。特に日本人は、味噌汁・漬物・麺類の汁・加工食品・外食などから、知らないうちに塩分を多くとっていることがあります。
ただし、血圧が高めになる原因は、塩分だけではありません。
血圧は、体の中を流れる血液が血管の壁を押す力です。イメージとしては、ホースに水を流している状態に近いです。水の量が多かったり、ホースが硬くなっていたり、出口が狭くなっていたりすると、ホースの内側にかかる圧が強くなりますよね。
血圧もそれに似ていて、血液の量、血管のしなやかさ、心臓の働き、自律神経、腎臓の働き、ホルモンバランスなど、さまざまな要素が関係しています。
たとえば、次のような生活習慣や体の状態は、血圧に影響することがあります。
- 塩分のとりすぎ
- 体重増加や肥満
- 運動不足
- 飲酒量が多い
- 喫煙習慣
- 睡眠不足
- ストレスや緊張
- 加齢による血管の変化
- 遺伝的な体質
つまり、血圧対策は「塩分だけ減らせば大丈夫」という単純なものではありません。
もちろん、減塩はとても大切です。しかし、毎日頑張って薄味にしているのに血圧がなかなか下がらない方もいます。その場合、運動不足、体重、睡眠、ストレス、飲酒量など、別の要因も一緒に見直す必要があります。
また、血圧は年齢とともに上がりやすくなることもあります。若い頃と同じ生活をしているつもりでも、体重が少し増えたり、筋肉量が落ちたり、睡眠の質が変わったりすると、血圧に影響が出ることがあります。
「昔は問題なかったから大丈夫」と思っていても、体の状態は少しずつ変化しています。血圧は、その変化を教えてくれるサインのひとつとも言えます。
ここで大切なのは、血圧が高めだからといって自分を責めすぎないことです。
血圧は、意思の弱さだけで決まるものではありません。体質や年齢、仕事や家庭環境、ストレス、睡眠時間など、自分だけではすぐに変えにくい要素も関係します。
だからこそ、「何が悪かったのか」と責めるよりも、「今の生活の中で、どこなら少し変えられそうか」と考えることが大切です。
たとえば、いきなり完璧な減塩生活を目指すのではなく、ラーメンの汁を残す、味噌汁を1日1杯にする、加工食品の頻度を減らす、夕食後に5分だけ歩く、といった小さな工夫からでも十分です。
血圧対策は、一気に生活を変える短距離走ではなく、少しずつ習慣を整えていく長距離走に近いものです。
次の章では、血圧が気になる方がまず整えたい生活習慣について、食事・運動・睡眠・ストレスの面から見ていきましょう。
まず整えたい生活習慣|食事・運動・睡眠・ストレス
血圧が気になるとき、まず意識したいのは「特別なことを始める」よりも、毎日の生活習慣を少しずつ整えることです。
血圧は、食事・運動・体重・睡眠・ストレス・飲酒・喫煙など、さまざまな生活習慣と関係しています。どれかひとつだけを完璧にするよりも、できることを組み合わせて続ける方が現実的です。
ここでは、血圧が気になる方が特に見直したいポイントを、食事・運動・睡眠・ストレスに分けて整理していきます。

食事|まずは「減塩」と「食べすぎ防止」から
血圧対策の基本としてよく言われるのが、塩分を控えることです。
塩分を多くとると、体は血液中の塩分濃度を調整しようとして水分をため込みやすくなります。その結果、血液量が増え、血管にかかる圧が高まりやすくなると考えられています。
ただ、いきなり「今日から完全な薄味にしよう」とすると、続けるのがしんどくなりがちです。
まずは、次のような小さな工夫から始めるのがおすすめです。
- ラーメンやうどんの汁を全部飲まない
- 漬物・佃煮・加工食品を毎食ではなく回数を減らす
- しょうゆやソースは「かける」より「つける」
- だし・酸味・香味野菜を使って薄味でも満足感を出す
- 外食や惣菜が続いた翌日は、家であっさりした食事にする
減塩は「我慢」だけで続けようとすると、どうしても負担になります。味を薄くするだけでなく、だし・酢・レモン・しょうが・しそ・ねぎ・スパイスなどを上手に使うと、物足りなさを減らしやすくなります。
また、食べすぎによる体重増加も血圧に関係します。血圧が気になる方は、塩分だけでなく、間食・夜食・揚げ物・甘い飲み物・アルコールの量も見直してみましょう。
運動|激しい運動より「続けられる動き」を
血圧対策というと、運動も大切です。
ただし、普段あまり運動していない方が、いきなりハードな筋トレや長時間のランニングを始める必要はありません。むしろ、無理をすると体に負担がかかったり、続かなかったりします。
まずは、ウォーキングのような軽めの有酸素運動を、日常生活に少し足すイメージで考えると続けやすいです。
たとえば、次のような工夫でも十分です。
- 買い物のときに少し遠い場所に車を停める
- エレベーターではなく階段を使う日を作る
- 夕食後に5〜10分だけ歩く
- テレビを見ながら軽く足踏みする
- 座りっぱなしの時間を1時間ごとに区切って立ち上がる
運動は、血圧だけでなく、体重管理、血糖値、中性脂肪、睡眠の質にも関係します。つまり、ひとつの習慣が複数の健康課題に良い方向で働きやすいということです。
「運動しなきゃ」と考えると重く感じますが、「体を少し動かす時間を増やす」と考えると、取り入れやすくなります。
睡眠|寝不足は血圧にも影響しやすい
意外と見落とされやすいのが、睡眠です。
寝不足が続くと、体が緊張状態になりやすく、自律神経のバランスにも影響します。自律神経は、心拍数や血管の収縮・拡張にも関係しているため、睡眠の乱れは血圧にも関わってきます。
「食事には気をつけているのに、血圧が安定しにくい」という方は、睡眠時間や睡眠の質も見直してみましょう。
たとえば、次のようなポイントです。
- 寝る直前までスマホを見続けていないか
- 夜遅くにカフェインをとっていないか
- 寝る前に仕事や家計のことを考えすぎていないか
- 睡眠時間が毎日かなり短くなっていないか
- いびきや睡眠時無呼吸が疑われる症状がないか
特に、強いいびき、睡眠中に呼吸が止まると言われる、日中の眠気が強いといった場合は、睡眠時無呼吸症候群が関係していることもあります。気になる症状がある方は、医療機関で相談することも大切です。
ストレス|血圧は心の緊張にも反応する
血圧は、ストレスや緊張にも影響を受けます。
忙しい朝、仕事で焦っているとき、家事や育児で余裕がないとき、人間関係でイライラしているときなど、一時的に血圧が上がりやすくなることがあります。
もちろん、ストレスを完全になくすことは難しいです。特に仕事や家庭の事情は、自分だけで簡単に変えられないことも多いですよね。
だからこそ、「ストレスをゼロにする」よりも、「緊張をゆるめる時間を少し作る」ことを意識してみましょう。
- 深呼吸をする
- ぬるめのお風呂に入る
- 短時間でも一人になれる時間を作る
- 寝る前に考えごとをメモに出す
- 完璧を目指しすぎない
血圧対策というと、食事や運動ばかりに目が向きがちですが、心と体はつながっています。毎日ずっとアクセルを踏みっぱなしの状態では、体も休まりにくくなります。
血圧が気になるときは、生活全体を少し引いて見て、「どこなら無理なく整えられそうか」を探していきましょう。
大切なのは、完璧な生活を目指すことではありません。昨日より少し塩分を控える、昨日より少し歩く、昨日より少し早く寝る。その小さな積み重ねが、血圧対策の土台になります。
家庭で血圧を測る習慣も大切
血圧が気になる方にとって、生活習慣の見直しと同じくらい大切なのが、家庭で血圧を測る習慣です。

健康診断や病院で測った血圧は、とても大切な情報です。ただ、血圧はその日の体調や緊張、測る時間、気温、直前の行動などによって変動します。
たとえば、健診会場や病院で測ると緊張して高く出る方もいます。いわゆる「白衣高血圧」と呼ばれるタイプです。一方で、病院ではそこまで高くないのに、家庭で測ると高い数値が続く「仮面高血圧」と呼ばれるタイプもあります。
つまり、1回の測定結果だけで「大丈夫」「危険」と判断するのではなく、普段の血圧の傾向を見ることが大切です。
家庭血圧は、毎日の体の状態を知るための“記録ノート”のようなものです。体重を毎日測ると増減の傾向が見えるように、血圧も継続して測ることで、自分の変化に気づきやすくなります。
家庭血圧は朝と夜に測るのが基本
家庭で血圧を測る場合は、できるだけ毎日同じ条件で測ることが大切です。
一般的には、朝と夜の測定がすすめられることが多いです。朝は起床後、トイレを済ませ、朝食や服薬の前に測ると、日による比較がしやすくなります。夜は就寝前など、落ち着いた状態で測るとよいでしょう。
ただし、細かい測定方法や測定回数については、持病や治療状況によって医師から指示されることもあります。すでに通院中の方は、自己判断で測定方法を変えず、主治医の指示に合わせることが大切です。
測る前は少し落ち着いてから
血圧は、直前の行動によっても変わります。
階段を上った直後、家事でバタバタした直後、子どもを急いで送り出した直後、コーヒーを飲んだ直後などは、一時的に高めに出ることがあります。
家庭で測るときは、椅子に座って少し落ち着いてから測るようにしましょう。背筋を伸ばして座り、腕を机などに置いて、できるだけリラックスした状態で測るのがポイントです。
「測るたびに数値が違う」と不安になる方もいますが、血圧はもともと変動するものです。1回ごとの数字に一喜一憂するよりも、数日から数週間の流れを見ることが大切です。
記録しておくと相談しやすい
家庭で測った血圧は、できれば記録しておきましょう。
血圧手帳でも、スマホアプリでも、カレンダーでも構いません。大切なのは、あとから見返せる形で残しておくことです。
記録しておくと、医師や薬剤師に相談するときに、より具体的な話がしやすくなります。
- 朝だけ高いのか
- 夜も高いのか
- 週末と平日で差があるのか
- 睡眠不足の日に高くなりやすいのか
- 外食や飲酒の翌日に変化があるのか
このような傾向が見えてくると、生活習慣のどこを見直すべきかも考えやすくなります。
薬局で相談を受けていても、「血圧が高い気がする」という情報だけより、「朝は140台が続いていて、夜は130台が多いです」と記録がある方が、状況を共有しやすいと感じます。
家庭血圧計は上腕式がおすすめ
家庭用の血圧計には、上腕式や手首式などがあります。
一般的には、測定の安定性を考えると、腕にカフを巻いて測る上腕式の血圧計が使いやすいです。手首式はコンパクトで便利ですが、測る位置や姿勢の影響を受けやすいことがあります。
もちろん、手首式が絶対に悪いというわけではありません。大切なのは、説明書に沿って正しい姿勢で測ることです。
初めて家庭用血圧計を選ぶ場合は、薬局や家電量販店で相談しながら、自分が続けやすいものを選ぶとよいでしょう。
高い数値が続くときは自己判断しない
家庭で血圧を測っていると、思ったより高い数値が続いて不安になることもあるかもしれません。
そのような場合に、自己判断で健康食品を増やしたり、薬を飲んでいる方が自己判断で量を変えたりするのは避けましょう。
血圧が高めの状態が続く場合や、急にかなり高い数値が出た場合、頭痛・胸の痛み・息苦しさ・手足のしびれなど気になる症状がある場合は、医療機関に相談することが大切です。
家庭血圧を測る目的は、不安を増やすことではありません。自分の体の状態を知り、必要な対策や相談につなげるためです。
血圧は、毎日同じ数字になるものではありません。だからこそ、日々の記録を通して「自分のいつもの状態」を知っておくことが、血圧対策の大切な第一歩になります。
健康食品やサプリはどう考えればいい?
血圧が気になり始めると、スーパーやドラッグストア、ネット通販などで「血圧が高めの方に」と書かれたお茶やサプリが目に入るようになりますよね。
「できれば薬に頼る前に、何か自分でできることを始めたい」
「毎日の食事だけでは不安だから、健康食品も取り入れた方がいいのかな?」
そう感じる方も多いと思います。
ただ、最初に押さえておきたいのは、健康食品やサプリは、血圧対策の主役ではなく補助的な選択肢だということです。
血圧が気になる方にとって大切なのは、まず食事・運動・睡眠・飲酒・喫煙・ストレスなどの生活習慣を見直すことです。そのうえで、必要に応じて健康食品やサプリを「生活を整えるためのサポート」として考えるのが自然です。
たとえるなら、健康食品は家の土台を作るものではなく、暮らしを少し助ける道具のような存在です。土台である生活習慣が大きく乱れたままだと、どれだけ良さそうな商品を選んでも、期待したほどの変化を感じにくいことがあります。
健康食品は薬の代わりではない
健康食品やサプリについて考えるときに、特に大切なのが「薬との違い」です。
医薬品は、病気の治療や予防を目的として、有効性や安全性を確認したうえで使われます。一方、健康食品やサプリは、あくまで食品の一種です。
そのため、健康食品に対して「血圧を下げる薬の代わりになる」「飲めば高血圧が治る」と考えるのは適切ではありません。
特に、すでに血圧の薬を飲んでいる方は注意が必要です。自己判断で薬をやめたり、量を減らしたりして、代わりにサプリを飲むような使い方は避けてください。
血圧の薬は、医師が血圧の状態や年齢、合併症、ほかの薬との関係などを見ながら調整しています。薬の変更や中止は、必ず主治医に相談しましょう。
「飲めば安心」ではなく「続け方」が大事
健康食品やサプリは、飲んだその日から劇的に何かが変わるものではありません。
血圧が気になる方向けの商品には、GABA、ヒハツ由来成分、ゴマペプチド、酢酸など、さまざまな成分が使われています。ただし、どの成分を選ぶ場合でも、生活習慣の見直しとあわせて、無理なく続けられるかが大切です。
たとえば、毎日飲むお茶タイプが続けやすい方もいれば、持ち運びしやすい粒タイプのサプリの方が合う方もいます。酢飲料のように味の好みが分かれやすいものもあります。
「成分だけ」で選ぶのではなく、次のような点も確認しておくと失敗しにくくなります。
- 毎日続けやすい形状か
- 味やにおいが負担にならないか
- 価格的に続けられるか
- 薬を飲んでいる場合、併用に不安がないか
- 商品に書かれている表示内容が自分の目的に合っているか
健康食品は、続けられなければ意味が薄れてしまいます。どれだけ評判が良い商品でも、味が苦手、価格が高すぎる、飲むタイミングが合わないとなると、いつの間にかやめてしまいやすいです。
広告表現をそのまま受け取りすぎない
健康食品を選ぶときは、広告や口コミの見方にも注意が必要です。
ネット上には、「これを飲んだら血圧が正常になった」「薬をやめられた」といった体験談が見つかることもあります。しかし、個人の体験談は、その人の生活習慣、体質、薬の使用状況、測定条件などによって大きく変わります。
誰かに合ったものが、自分にも同じように合うとは限りません。
また、健康食品は医薬品ではないため、病気の治療効果をうたうことはできません。「高血圧が治る」「薬が不要になる」といった表現が強く目立つ場合は、少し慎重に見た方がよいでしょう。
商品を選ぶときは、口コミだけで判断するのではなく、トクホなのか、機能性表示食品なのか、どの成分がどのような機能性として表示されているのかを確認することが大切です。
健康食品を使うなら「生活習慣の上乗せ」として
血圧が気になる方にとって、健康食品やサプリがまったく意味のないものというわけではありません。
上手に使えば、日々の生活習慣を整えるきっかけになります。
たとえば、血圧が気になる方向けのお茶を毎日飲むことで、「ついでに塩分も少し控えよう」「今日は歩いてみよう」と意識が変わることもあります。サプリを飲む習慣が、健康管理を見直すスイッチになる方もいます。
大切なのは、健康食品を「これさえ飲めば大丈夫」という魔法のように考えないことです。
食事を整える。少し体を動かす。睡眠を見直す。家庭血圧を測る。そのうえで、自分に合う健康食品を必要に応じて取り入れる。
この順番で考えると、無理なく、そして安全に続けやすくなります。
次の章では、血圧が気になる方向けの商品を選ぶときに知っておきたい、トクホ・機能性表示食品・サプリの違いについて整理していきます。
トクホ・機能性表示食品・サプリの違い
血圧が気になる方向けの商品を見ていると、パッケージに「トクホ」「機能性表示食品」「サプリメント」など、いろいろな表記が出てきます。
トクホと機能性表示食品の制度の違いを先に詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:
トクホと機能性表示食品の違いとは?薬剤師がわかりやすく解説
なんとなく体に良さそうに見えても、それぞれの意味は少し違います。
ここを理解しておくと、商品を選ぶときに「何を根拠に選べばいいのか」が見えやすくなります。
トクホとは?
トクホは、正式には特定保健用食品といいます。
からだの生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含み、健康の維持増進に役立つことが期待できる食品として、国が個別に審査し、表示を許可した食品です。
血圧が気になる方向けの商品では、「血圧が高めの方に適する」などの表示がされているものがあります。
トクホの特徴は、商品ごとに国の審査を受けている点です。そのため、消費者にとっては、比較的わかりやすい目印になります。
ただし、トクホであっても医薬品ではありません。「飲めば高血圧が治る」「薬の代わりになる」という意味ではない点には注意が必要です。
機能性表示食品とは?
機能性表示食品は、事業者の責任で、科学的根拠に基づいた機能性を表示している食品です。
販売前に、安全性や機能性の根拠などの情報が消費者庁へ届け出られます。ただし、トクホのように国が個別に審査して許可したものではありません。
血圧が気になる方向けの商品では、GABA、ヒハツ由来成分、酢酸などを含む機能性表示食品があります。
機能性表示食品は商品数が多く、サプリ・お茶・飲料・食品など形状もさまざまです。その分、選択肢が広い一方で、表示内容や届出情報をよく確認して選ぶことが大切です。
特に確認したいのは、パッケージに書かれている機能性表示が、自分の目的に合っているかどうかです。
たとえば、同じ「健康食品」でも、血圧が高めの方向けなのか、血糖値が気になる方向けなのか、中性脂肪が気になる方向けなのかで、目的は違います。
なんとなく有名だから、口コミが多いから、という理由だけで選ぶのではなく、表示されている機能性を確認しましょう。
サプリメントとは?
サプリメントは、一般的には栄養成分や特定の成分を補う目的で使われる食品のことを指します。
ただし、「サプリメント」という言葉そのものは、医薬品のような分類名ではありません。
サプリの中には、機能性表示食品として届け出されているものもあれば、特定の保健機能表示がない一般的な健康食品もあります。
つまり、サプリだから必ず機能性表示食品というわけではありませんし、サプリだから必ず血圧対策向けというわけでもありません。
血圧が気になる方がサプリを選ぶ場合は、次の点を確認しておくと安心です。
- 機能性表示食品なのか、一般的な健康食品なのか
- どの成分が配合されているのか
- パッケージにどのような機能性が表示されているのか
- 1日の摂取目安量はどれくらいか
- 薬を飲んでいる場合、併用に不安がないか
特に、すでに血圧の薬を飲んでいる方や、腎臓病・心臓病などで治療中の方は、自己判断でサプリを追加する前に、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
それぞれの違いを簡単に整理
トクホ・機能性表示食品・サプリの違いを簡単に整理すると、次のようになります。
| 種類 | 特徴 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| トクホ | 国が個別に審査し、表示を許可した食品 | 許可表示の内容、自分の目的に合うか |
| 機能性表示食品 | 事業者の責任で科学的根拠に基づく機能性を表示する食品 | 届出表示、成分、対象者、注意事項 |
| サプリメント | 成分を補う目的で使われる食品の総称 | 機能性表示の有無、配合成分、飲み合わせ |
このように見ると、トクホ・機能性表示食品・サプリは、似ているようで位置づけが異なります。
血圧が気になる方にとって大切なのは、「どれが一番すごいか」ではなく、自分の状態や目的に合っているかです。
また、どのタイプを選ぶ場合でも、健康食品は医薬品ではありません。血圧が高い状態が続く方、すでに治療中の方、体調に不安がある方は、商品選びの前に医療機関や薬局で相談することも大切です。
次の章では、血圧が気になる人向けの健康食品を選ぶときに、具体的にどこを見ればよいのかを整理していきます。
血圧が気になる人向け健康食品を選ぶポイント
血圧が気になる方向けの健康食品は、お茶・サプリ・酢飲料・青汁など、さまざまなタイプがあります。
健康食品の選び方をさらに詳しく確認したい方は、以下の記事で成分や表示の見方を整理しています。
関連記事:
血圧が気になる人向け健康食品の選び方|トクホ・機能性表示食品・成分の違いを薬剤師が解説
選択肢が多いのは便利ですが、その一方で「結局どれを選べばいいの?」と迷いやすいところでもあります。
ここで大切なのは、なんとなく有名な商品や口コミが多い商品を選ぶのではなく、自分の目的・生活スタイル・安全性に合っているかを確認することです。

血圧が気になる方が健康食品を選ぶときは、次の5つのポイントを意識してみましょう。
ポイント1|表示されている機能性を確認する
まず確認したいのは、商品にどのような機能性が表示されているかです。
血圧が気になる方向けの商品であれば、「血圧が高めの方に適する」「高めの血圧を下げる機能が報告されています」など、血圧に関する表示がされているかを確認しましょう。
健康食品の中には、パッケージの雰囲気や商品名からなんとなく血圧に良さそうに見えるものもあります。しかし、実際には血圧ではなく、血糖値・中性脂肪・内臓脂肪・睡眠など、別の目的の商品である場合もあります。
特に機能性表示食品の場合は、商品ごとに届け出されている機能性が異なります。
「健康に良さそう」ではなく、自分が気にしている項目に合った表示があるかを見ることが大切です。
ポイント2|配合されている成分を見る
血圧が気になる方向けの商品には、さまざまな成分が使われています。
代表的なものとしては、次のような成分があります。
- GABA
- ゴマペプチド
- ヒハツ由来ピペリン類
- 酢酸
- モノグルコシルヘスペリジン
同じ「血圧が気になる方向け」の商品でも、使われている成分は商品によって違います。
GABA・ヒハツ・酢酸・ポリコサノールなど、成分ごとの違いを詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
関連記事:
GABA・ヒハツ・酢酸・ポリコサノールの違い|血圧が気になる人向けに薬剤師が解説
成分によって、届出表示の内容、摂取目安量、飲み方、注意点が異なるため、商品ページやパッケージの情報を確認しておきましょう。
ただし、成分名だけで「これが一番効く」と決めるのはおすすめできません。
血圧に関する健康食品は、医薬品のように血圧を治療するものではありません。あくまで、生活習慣の見直しと組み合わせて考えるものです。
成分は大切ですが、成分だけでなく、続けやすさや安全性も一緒に見ていきましょう。
ポイント3|毎日続けやすい形状か確認する
健康食品は、続けられるかどうかも大切です。
たとえば、お茶タイプは食事中や日常の飲み物として取り入れやすい一方で、毎日買う・作る・持ち歩く手間が気になる方もいます。
サプリタイプは粒やカプセルで手軽に続けやすい反面、「薬のように感じる」「飲み忘れやすい」という方もいます。
酢飲料は味が好みに合えば続けやすいですが、酸味が苦手な方には負担になることがあります。青汁タイプは野菜不足が気になる方には取り入れやすい一方で、味や粉っぽさが気になることもあります。
どの商品が良いかは、人によって変わります。
大切なのは、「理論上良さそう」よりも、自分の生活の中で無理なく続けられるかです。
毎日忙しい方なら、個包装のサプリやペットボトル飲料が便利かもしれません。家で食事と一緒に取り入れたい方なら、お茶や酢飲料が合うかもしれません。
続けやすい形を選ぶことは、健康食品選びで意外と見落とされやすいポイントです。
ポイント4|価格と購入しやすさを確認する
健康食品は、1回だけ飲んで終わりではなく、ある程度続ける前提で選ぶことが多いです。
そのため、価格も重要です。
初回価格だけを見ると安く感じても、2回目以降の価格、定期購入の条件、送料、解約のしやすさなどを確認しておかないと、あとから「思ったより高かった」と感じることがあります。
確認しておきたいのは、次のような点です。
- 1日あたりの目安価格
- 通常価格と定期価格の違い
- 送料の有無
- 定期購入の回数縛りがあるか
- 解約方法がわかりやすいか
- 楽天・Amazon・公式サイトなど、どこで買えるか
健康食品は、価格が高ければ必ず良いというものではありません。
反対に、安さだけで選ぶと、自分の目的に合っていなかったり、続けにくかったりすることもあります。
「無理なく続けられる価格か」「買いやすい場所で手に入るか」を確認しておくと、継続しやすくなります。
ポイント5|薬を飲んでいる人は必ず注意する
すでに血圧の薬を飲んでいる方、腎臓病・心臓病・糖尿病などで治療中の方は、健康食品を選ぶときに特に注意が必要です。
健康食品は食品ではありますが、成分によっては体質や薬との関係を考えた方がよい場合があります。
たとえば、血圧が気になる方向けの商品を複数組み合わせたり、自己判断で薬の代わりに使ったりするのはおすすめできません。
また、持病がある方は、塩分・カリウム・糖分・カフェイン・アルコールなど、商品に含まれる成分にも注意が必要な場合があります。
「健康食品だから安全」と思い込みすぎず、不安がある場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
特に、次のような方は、購入前に相談しておくと安心です。
- 血圧の薬を飲んでいる方
- 腎臓病や心臓病で治療中の方
- 糖尿病などで食事制限がある方
- 複数の薬やサプリを使っている方
- 妊娠中・授乳中の方
- 高齢の方
血圧が気になるからこそ、商品選びでは「良さそう」だけでなく、「自分にとって安全に続けられるか」を確認することが大切です。
迷ったら「目的・成分・続けやすさ・安全性」で整理する
血圧が気になる方向けの健康食品を選ぶときは、情報が多くて迷いやすいです。
そんなときは、次の4つに分けて考えてみてください。
- 目的:血圧が気になる方向けの表示があるか
- 成分:どの機能性関与成分が使われているか
- 続けやすさ:味・形状・価格が自分に合うか
- 安全性:薬や持病との関係に不安がないか
この4つを確認すると、なんとなく選ぶよりも失敗しにくくなります。
血圧対策は、ひとつの商品で完結するものではありません。生活習慣を整えながら、自分に合った健康食品を必要に応じて取り入れる。
そのくらいの距離感で考えると、無理なく続けやすくなります。
次の章では、血圧が気になる方向けの健康食品を、お茶・サプリ・酢飲料・青汁といったタイプ別に整理していきます。
血圧向け健康食品のタイプ別比較|お茶・サプリ・酢飲料・青汁
血圧が気になる方向けの健康食品には、いくつかのタイプがあります。
代表的なものとしては、お茶タイプ・サプリタイプ・酢飲料タイプ・青汁タイプなどです。
それぞれのタイプ別の違いをより詳しく比較したい方は、こちらの記事でまとめています。
関連記事:
血圧が気になる人向け健康食品の違い|お茶・サプリ・酢飲料・青汁を薬剤師が比較
どれも「血圧が気になる方に」と紹介されることがありますが、使われている成分や続けやすさ、向いている人は少しずつ違います。
ここでは、それぞれの特徴を整理していきます。
お茶タイプ|食事と一緒に取り入れやすい
お茶タイプは、血圧が気になる方向けの健康食品の中でも、比較的取り入れやすい形です。
普段のお茶や食事中の飲み物を置き換える感覚で始めやすく、「サプリを飲んでいる感じが苦手」という方にも向いています。
代表的なものとしては、ゴマペプチドを含むトクホのお茶や、GABAなどを含む機能性表示食品のお茶があります。
お茶タイプのメリットは、毎日の習慣に組み込みやすいことです。
- 食事と一緒に飲みやすい
- サプリ感が少ない
- 家族にも見られにくく、自然に続けやすい
- コンビニやスーパーで買える商品もある
一方で、毎日ペットボトルで購入する場合はコストがかかりやすく、持ち運びや保管場所が気になることもあります。また、商品によってはカフェインを含むものもあるため、夜に飲む場合やカフェインが気になる方は表示を確認しましょう。
お茶タイプは、まず手軽に始めたい方、食事と一緒に取り入れたい方に向いています。
お茶タイプの商品例として、胡麻麦茶について詳しく知りたい方はこちらの記事で成分・口コミ・注意点をまとめています。
商品レビュー:
胡麻麦茶は効果ある?血圧が気になる人向けに薬剤師が成分・口コミ・注意点を解説
サプリタイプ|手軽さを重視する人に向いている
サプリタイプは、粒やカプセルなどで成分を摂取するタイプです。
血圧が気になる方向けのサプリでは、GABA、ヒハツ由来ピペリン類、モノグルコシルヘスペリジンなどを含む商品があります。
サプリタイプのメリットは、持ち運びしやすく、毎日の習慣にしやすいことです。
- 水で飲むだけなので手軽
- 保管場所を取りにくい
- 外出先でも続けやすい
- 味が苦手な食品を無理に食べなくてよい
一方で、サプリは見た目が薬に近いため、「薬を飲んでいるようで抵抗がある」と感じる方もいます。また、複数のサプリを同時に使っている方は、成分の重複にも注意が必要です。
特に、すでに血圧の薬を飲んでいる方や、持病がある方は、サプリを追加する前に医師や薬剤師へ相談しておくと安心です。
サプリタイプは、忙しくて食事や飲み物で取り入れるのが難しい方、持ち運びやすさを重視したい方に向いています。
酢飲料タイプ|味が合えば続けやすい
酢飲料タイプは、酢酸などを含む商品が代表的です。
りんご酢や黒酢などの飲料は、健康習慣として取り入れている方も多く、食事と一緒に飲んだり、朝の習慣にしたりしやすいタイプです。
酢飲料タイプのメリットは、飲み物として取り入れやすく、味の好みに合えば習慣化しやすいことです。
- 食事と一緒に飲みやすい
- 健康習慣として取り入れやすい
- 甘みのある商品は飲みやすい
- スーパーなどで購入しやすい商品もある
ただし、酢の酸味が苦手な方には続けにくい場合があります。また、商品によっては糖分が含まれているものもあるため、血糖値が気になる方や糖質制限中の方は栄養成分表示を確認しましょう。
酸味が強い商品を空腹時に飲むと胃に負担を感じる方もいます。胃が弱い方は、飲むタイミングや量にも注意が必要です。
酢飲料タイプは、酸味が好きな方、飲み物として健康習慣を作りたい方に向いています。
青汁タイプ|野菜不足も気になる人向け
青汁タイプは、血圧だけでなく、野菜不足や食生活の乱れも気になる方に選ばれやすいタイプです。
青汁の中には、GABAなどの機能性関与成分を含む機能性表示食品もあります。
青汁タイプのメリットは、毎日の食生活に「健康を意識するきっかけ」を作りやすいことです。
- 野菜不足が気になる方に取り入れやすい
- 朝食や間食代わりに使いやすい
- 水・牛乳・豆乳などでアレンジしやすい
- 健康習慣を始めた実感を得やすい
一方で、味や粉っぽさが苦手な方には続けにくい場合があります。また、商品によっては甘味料や糖質が含まれているものもあるため、成分表示を確認して選びましょう。
腎臓病などでカリウム制限がある方は、青汁の使用について医師や薬剤師に相談してください。
青汁タイプは、血圧だけでなく、野菜不足や食生活全体も見直したい方に向いています。
タイプ別の違いを簡単に整理
それぞれのタイプを簡単に整理すると、次のようになります。
| タイプ | 特徴 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| お茶タイプ | 食事と一緒に取り入れやすい | 自然に始めたい人 | コスト・カフェイン・保管場所 |
| サプリタイプ | 粒やカプセルで手軽 | 忙しい人、持ち運びたい人 | 薬との併用、成分の重複 |
| 酢飲料タイプ | 飲み物として習慣化しやすい | 酸味が好きな人 | 糖分、胃への刺激 |
| 青汁タイプ | 野菜不足対策にも使いやすい | 食生活全体を整えたい人 | 味、粉っぽさ、カリウム制限 |
どのタイプが一番良いというより、自分が無理なく続けられるタイプを選ぶことが大切です。
たとえば、毎日食事と一緒に飲むならお茶タイプ、持ち運びやすさを重視するならサプリタイプ、味の好みが合うなら酢飲料タイプ、野菜不足も気になるなら青汁タイプという考え方ができます。
健康食品選びは、成分だけでなく「生活に合うかどうか」も重要です。
どれだけ成分が良さそうに見えても、味が苦手だったり、価格が負担だったり、飲むタイミングが合わなかったりすると、続けるのが難しくなります。
血圧対策は、短期間だけ頑張るものではなく、日々の生活の中で少しずつ整えていくものです。だからこそ、無理なく続けられるタイプを選びましょう。
薬を飲んでいる人・通院中の人が注意したいこと
血圧が気になる方向けの健康食品やサプリは、ドラッグストアやネット通販でも手軽に購入できます。
そのため、「食品だから薬より安心」「サプリなら気軽に始めても大丈夫」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、すでに薬を飲んでいる方や、持病で通院している方は、健康食品を選ぶときに少し慎重になる必要があります。
血圧サプリを検討している方は、購入前に注意点を整理したこちらの記事も確認しておくと安心です。
関連記事:
血圧サプリを選ぶ前に知っておきたい注意点|薬剤師が解説
健康食品は医薬品ではありませんが、体に取り入れるものであることに変わりはありません。成分によっては、薬との飲み合わせや体調への影響を考えた方がよい場合もあります。
血圧の薬を自己判断でやめない
まず大前提として、血圧の薬を飲んでいる方は、自己判断で薬をやめたり、量を減らしたりしないようにしましょう。
「健康食品を始めたから、薬は少し減らしてもいいかな」
「血圧が少し下がってきたから、今日は薬を飲まなくてもいいかも」
このように考えてしまう方もいますが、これはおすすめできません。
血圧の薬は、今の血圧だけでなく、年齢、合併症、腎臓や心臓の状態、ほかの薬との関係などをふまえて医師が調整しています。
一時的に血圧が落ち着いて見えても、薬の効果で安定しているだけの場合もあります。自己判断で中止すると、血圧が再び高くなったり、体に負担がかかったりする可能性があります。
薬の変更や中止については、必ず主治医に相談しましょう。
サプリや健康食品を追加するときは相談する
血圧の薬を飲んでいる方が、血圧向けのサプリや健康食品を追加したい場合は、事前に医師や薬剤師へ相談しておくと安心です。
特に、複数の商品を同時に使う場合は注意が必要です。
たとえば、血圧が気になる方向けのお茶を飲みながら、別の血圧向けサプリも飲む、さらに青汁や酢飲料も取り入れる、というように重ねていくと、成分や目的が重複することがあります。
ひとつひとつは食品であっても、いくつも重ねることで体に合わなくなることもあります。
「健康に良さそうだから足していく」という考え方より、今の自分に本当に必要かどうかを整理することが大切です。
腎臓病・心臓病・糖尿病などで治療中の方は特に注意
持病で通院している方は、健康食品の成分にも注意が必要な場合があります。
たとえば、腎臓の機能が低下している方では、カリウム・たんぱく質・塩分・水分量などについて制限が必要なことがあります。青汁や野菜系の飲料、濃縮タイプの食品を選ぶときには、自己判断で続けない方がよいケースもあります。
糖尿病で食事療法をしている方は、酢飲料やドリンクタイプの商品に含まれる糖質やカロリーも確認しておきたいところです。
心臓病で治療中の方も、塩分量や水分量、薬との関係を考える必要がある場合があります。
健康食品は「食品」という名前がついていますが、治療中の方にとっては、普段の食事管理や薬の効果に影響する可能性もあります。
不安がある場合は、商品名や成分表示の写真を持って、薬局や医療機関で相談してみるとよいでしょう。
妊娠中・授乳中・高齢の方も慎重に
妊娠中・授乳中の方、高齢の方も、健康食品の使用には慎重さが必要です。
妊娠中や授乳中は、自分だけでなく赤ちゃんへの影響も考える必要があります。パッケージに「妊娠中・授乳中の方は医師に相談してください」と書かれている商品も少なくありません。
また、高齢の方は、複数の薬を飲んでいることが多く、腎臓や肝臓の機能も若い頃とは変わっている場合があります。
「家族がすすめてくれたから」「テレビで見たから」と始める前に、現在飲んでいる薬や持病との関係を確認しておくと安心です。
体調の変化があれば中止して相談する
健康食品やサプリを始めたあとに、体調の変化を感じた場合は、いったん使用を中止して相談しましょう。
たとえば、次のような変化があれば注意が必要です。
- 胃の不快感や腹痛
- 下痢や便秘
- 発疹やかゆみ
- めまいやふらつき
- 動悸
- いつもと違うだるさ
もちろん、これらの症状がすべて健康食品の影響とは限りません。ただ、飲み始めた時期と体調変化が重なる場合は、念のため注意しておく方がよいです。
薬局で相談するときは、使っている商品の名前、飲み始めた時期、1日の摂取量、現在飲んでいる薬を伝えると、状況を整理しやすくなります。
相談するときは「商品名」と「成分」がわかるものを持参する
医師や薬剤師に相談するときは、できれば商品のパッケージや成分表示、公式サイトの画面などを見せると話がスムーズです。
「血圧に良いサプリを飲んでいます」だけでは、どの成分がどのくらい入っているのか判断しにくいからです。
相談するときは、次の情報があると助かります。
- 商品名
- 配合成分
- 1日の摂取目安量
- 飲み始めた時期
- 現在飲んでいる薬
- 持病や通院状況
特に薬局では、お薬手帳と一緒に健康食品の情報を見せてもらえると、飲み合わせや重複の確認がしやすくなります。
健康食品を使うこと自体が悪いわけではありません。大切なのは、今の自分の体や治療状況に合っているかを確認しながら使うことです。
血圧が気になる方ほど、「体に良さそう」だけで判断せず、安全に続けられるかを大切にしましょう。
関連記事・商品レビュー
ここまで、血圧が気になる方がまず見直したい生活習慣や、健康食品・サプリを選ぶときの考え方について解説してきました。
血圧対策で大切なのは、いきなり商品を選ぶことではなく、まず自分の状態や生活習慣を整理することです。
そのうえで、必要に応じてトクホ・機能性表示食品・サプリなどを取り入れると、無理なく健康管理を続けやすくなります。
このサイトでは、血圧が気になる方向けに、健康食品の選び方や成分の違い、商品レビュー記事もまとめています。
血圧向け健康食品の選び方を詳しく知りたい方へ
「血圧が気になるけれど、どの商品を選べばいいかわからない」という方は、まず健康食品の選び方を整理しておくと安心です。
トクホ・機能性表示食品・サプリにはそれぞれ特徴があり、成分や表示内容も商品ごとに異なります。
以下の記事では、血圧が気になる方向けに、健康食品を選ぶときの基本的な考え方を詳しくまとめています。
関連記事:
血圧が気になる人向け健康食品の選び方|トクホ・機能性表示食品・成分の違いを薬剤師が解説
お茶・サプリ・酢飲料・青汁の違いを知りたい方へ
血圧向けの商品には、お茶タイプ、サプリタイプ、酢飲料タイプ、青汁タイプなどがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、向いている人も違います。
たとえば、食事と一緒に自然に取り入れたい方はお茶タイプ、手軽さを重視したい方はサプリタイプ、健康習慣として飲み物を取り入れたい方は酢飲料タイプが合うかもしれません。
以下の記事では、血圧が気になる方向けの健康食品をタイプ別に比較しています。
関連記事:
血圧が気になる人向け健康食品の違い|お茶・サプリ・酢飲料・青汁を薬剤師が比較
成分の違いを知りたい方へ
血圧が気になる方向けの商品には、GABA、ヒハツ由来成分、酢酸、ゴマペプチド、ポリコサノールなど、さまざまな成分が使われています。
成分名だけを見ると難しく感じますが、どの成分がどのような目的で使われているのかを知っておくと、商品選びがしやすくなります。
「名前は聞いたことがあるけれど、違いがよくわからない」という方は、成分比較の記事も参考にしてみてください。
関連記事:
GABA・ヒハツ・酢酸・ポリコサノールの違い|血圧が気になる人向けに薬剤師が解説
トクホと機能性表示食品の違いを知りたい方へ
健康食品を選ぶときに、意外と迷いやすいのが「トクホ」と「機能性表示食品」の違いです。
どちらも健康の維持に役立つ食品として見かけることがありますが、制度上の位置づけや表示の仕組みは異なります。
血圧向けの商品だけでなく、血糖値・中性脂肪・睡眠・腸活などの商品を選ぶときにも役立つ知識なので、先に確認しておくと安心です。
関連記事:
トクホと機能性表示食品の違いとは?薬剤師がわかりやすく解説
血圧サプリを選ぶ前に注意点を確認したい方へ
血圧が気になる方向けのサプリは手軽に始めやすい一方で、薬を飲んでいる方や持病がある方は注意が必要です。
特に、血圧の薬を飲んでいる方が自己判断でサプリを追加したり、薬の代わりとして使ったりするのはおすすめできません。
サプリを検討している方は、購入前に注意点も確認しておきましょう。
関連記事:
血圧サプリを選ぶ前に知っておきたい注意点|薬剤師が解説
商品レビューを見たい方へ
具体的な商品について知りたい方は、商品レビュー記事も参考にしていただけたらと思います。
商品レビューでは、配合成分、表示されている機能性、口コミ、注意点、購入方法などを整理しています。
ただし、商品レビューはあくまで商品選びの参考です。血圧が高い状態が続く方や治療中の方は、商品だけで判断せず、必要に応じて医療機関や薬局で相談してください。
商品レビュー:
胡麻麦茶は効果ある?血圧が気になる人向けに薬剤師が成分・口コミ・注意点を解説
今後は、血管バリア、ヒハツ系サプリ、GABA配合サプリ、酢飲料タイプの商品などについても、順番にレビュー記事を追加していく予定です。
この記事を血圧対策の入門として活用してください
血圧が気になる方にとって、最初からすべてを完璧に理解する必要はありません。
まずは、生活習慣の見直し、家庭血圧の測定、健康食品の基本的な考え方を押さえることが大切です。
そのうえで、気になるテーマがあれば関連記事を読み進めていくと、自分に必要な情報を整理しやすくなります。
このページは、血圧が気になる方に向けた入門記事として、今後も関連記事や商品レビューを追加しながら更新していきます。
まとめ|血圧対策は「これだけ」ではなく、生活全体で考えよう
血圧が気になると言われると、つい「何を飲めばいい?」「どのサプリがいい?」と、すぐに商品選びに目が向きやすくなります。
もちろん、トクホや機能性表示食品、サプリなどを上手に取り入れることが、健康管理のきっかけになることはあります。
ただし、血圧対策で本当に大切なのは、ひとつの商品に頼ることではありません。
食事、運動、睡眠、ストレス、飲酒、喫煙、体重管理、そして家庭での血圧測定。こうした生活全体を見ながら、できることを少しずつ整えていくことが基本になります。
特に意識したいポイントは、次の通りです。
- 血圧は1回の測定だけで判断せず、家庭でも継続して測る
- 減塩だけでなく、体重・運動・睡眠・ストレスも見直す
- 健康食品やサプリは、生活習慣を支える補助として考える
- トクホ・機能性表示食品・サプリの違いを理解して選ぶ
- 薬を飲んでいる方や通院中の方は、自己判断で追加・中止しない
血圧対策は、短期間で一気に結果を出すものというより、毎日の小さな積み重ねで整えていくものです。
たとえば、ラーメンの汁を残す、しょうゆをかけすぎない、夕食後に少し歩く、寝る前のスマホ時間を短くする、家庭血圧を記録する。こうした小さな行動でも、続けていけば大切な健康習慣になります。
健康食品を選ぶ場合も、「これを飲めば大丈夫」と考えるのではなく、今の自分の生活に無理なく取り入れられるか、安全に続けられるかを確認しましょう。
血圧が高めの状態が続く方、すでに治療中の方、頭痛・胸の痛み・息苦しさ・手足のしびれなど気になる症状がある方は、自己判断せず医療機関へ相談してください。
血圧は、自覚症状がないまま変化していくこともあります。だからこそ、日々の記録と生活習慣の見直しが大切です。
この記事が、「血圧が気になるけれど、何から始めればいいかわからない」という方にとって、最初の道しるべになればうれしいです。
まずは、今日からできる小さなことをひとつ選んで始めてみましょう。
参考文献・参考情報
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-003 - 厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧の予防」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-004 - 日本高血圧学会「一般のみなさま向け情報」
https://www.jpnsh.jp/pub_katei.html - 消費者庁「保健機能食品について」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_and_nutrition_labelling - 消費者庁「機能性表示食品について」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims
※本記事は、上記の公的機関・学会情報を参考に、薬剤師の視点から一般の方向けにわかりやすく整理したものです。
※健康食品やサプリメントは、医薬品ではありません。病気の診断・治療・予防を目的とするものではなく、体調や治療状況によって合わない場合もあります。血圧が高い状態が続く方、治療中の方、薬を服用中の方は、自己判断せず医師・薬剤師に相談してください。
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血圧サプリを選ぶ前に知っておきたい注意点|薬剤師がやさしく解説
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この記事を書いた人 Wrote this article
アラサー薬剤師 研修認定薬剤師
みなさんこんにちは! このサイトを運営しているアラサー薬剤師と申します。 現在はとある調剤薬局で管理薬剤師をしております。 このサイトでは将来生活習慣病で困ることの無いように、今からできる対策などについて情報発信していきます。 薬剤師歴8年 研修認定薬剤師4年目 学校薬剤師3年目 休日夜間急病センター4年目